「貯蓄から投資へ」と言われ始めて、何年が過ぎたでしょうか。「金融ビッグバン」と騒がれた時期からすると、20年ほど経ったことになります。 この20年間に多くの金融商品制度が登場しましたが、現在に続くヒット制度は見当たりません。これは多くの人がお金を預貯金に入れたままで、投資には向かっていないことの表れでしょう。 投資未経験者に「なぜ投資をしないのか」と尋ねると、よけいなお世話と言われながら、「損をするのが嫌だから」という答えが返ってきました。 投資は得をすることも損をすることもあります。未経験者が注目するのは、とくに損のほうです。 日本の株式市場ではバブル崩壊、ブラックマンデー、リーマンショックなど、相場の下落時が印象深く記憶されています。下落する前には上昇した相場があったにもかかわらず、下落時をいつまでも記憶するものです。 このマイナス側面に注目し、記憶にとどめる傾向は、人間の動物としての