IT業界で常態化している多重下請けが、日本のソフトウェア開発を米国や中国よりも遅れさせ、かつ、優秀なエンジニアが育たない状況を作り出している――。こんな危機感を持って、業界の構造改革に向けて取り組んでいるのが、東京都渋谷区に本社がある情報戦略テクノロジーだ。高井淳社長に多重下請け構造の問題点を、前編(IT業界の「多重下請け地獄」が横行し続ける真の理由)で具体的に指摘してもらった。 高井社長はIT業界で1次請けから3次請けまで経験している。その経験から、業界の構造改革のためには、企業の事業部門と直接ビジネスをする「0次請け」と、エンジニアのスキルシートの統一化が必要だと訴えている。 後編では、情報戦略テクノロジーが進める具体的な取り組みを、高井社長に聞いた。 高井淳(たかい・じゅん)株式会社情報戦略テクノロジー代表取締役。1975年6月12日生まれ。法政大学卒。上場企業での勤務、起業、システ