早稲田大学名誉教授・浅川基男氏の著書『日本のものづくりはもう勝てないのか!?』より一部を抜粋・再編集し、日本の「材料とものづくり技術」について見ていきます。 日本の「材料とものづくり技術」今でもなお、世界に圧倒的に強い分野が日本の素材・部材・部品づくりである。 2000年以降の日本は、愚直に真面目に働く価値観が揺らぎ始め、技術系志望の若者が減り、金儲けや容易な職を求める風潮が強まった。この間、中国のものづくりが覚醒し、GDPでも日本を抜き去った。 一方、米国は1980年代から、材料とものづくりを地道に継続するよりも、四半期ごとの短期利益勝負や金融・投資に明け暮れ、ものづくりの伝統を絶やしてしまった。ラスト・ベルトは文字通り、既にさび付いた地帯となっている。 SONYの盛田昭夫は、1980年代に「ものづくりを忘れてマネーゲームに走っている米国が低迷するのは当たり前。日本人はもっと毅然としてN