情報処理やロボットの研究分野で、なじみ深い生物の「タコ」が注目を集めている。軟らかな8本の足(腕)の仕組みを参考にした新しい研究が次々と生まれており、専門家にとっては「インスピレーション(ひらめき)の源」だという。タコから始まる研究に迫った。【柳楽未来】 ●足の振りで計算 「水中でタコの足を振ると計算ができます。『どういうことやねん』と思われるかもしれませんが、数理的には可能です」。そう笑顔で語る中嶋浩平・東京大特任准教授が挑むのは、本物に似せた人工の「タコ足」に高度な計算をさせてしまうというユニークな研究だ。これまでに、人工知能(AI)で行うような計算の一部が、「タコ足」でできることを確認したという。 タコは無脊椎(せきつい)動物の中で最も脳が発達しているが、8本の足の複雑な動きは脳だけでなく、発達した末梢(まっしょう)神経のある足そのものでも制御しているとされる。中嶋さんはこれを「行動
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