確かに時代錯誤、だが… 経団連(日本経済団体連合会)の中西宏明会長が今年5月、経団連会館23階の会長執務室にパソコンを持ち込み、職員にメールで仕事の進捗を聞くようになった――という読売新聞の記事が、物議を醸している。なんでも、会長執務室にパソコンが置かれたのはこれが初めてだそうで、これまでは「紙でやり取りしてきた」という職員の談話もある。 「とても2018年の話とは思えない」「これが日本の『失われた20年』の原因か…」などなど、呆れ果てた人々のSNSでのコメントには、まあ頷ける。 もっとも中西氏自身は、おそらくこれまでの経団連会長と比べても、そして他の企業のトップたちと比べても、ITリテラシーの点で突出した人物であることは間違いない。東大工学部から日立製作所に入社した後、米スタンフォード大学大学院でコンピュータエンジニアリング学修士課程修了という、バリバリのエンジニアなのだ。 氏のキャリア