今回の沖縄県知事選は、基地推進派と基地反対派を真っ二つにするーーそんな見方もある。しかし、そうした二項対立では取りこぼしてしまう沖縄の感情があるのではないか。ノンフィクションライターの石戸諭氏が沖縄で取材をするなかで行き当たったのは、この土地に住む人々の入り組んだ思いを映し出すかのような、世論調査の結果だった。 〔第一回〕「翁長君は誤解されている」元知事が明かす沖縄、不条理の正体 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「この沖縄県知事選で世論調査はあてにならない。これは常識だ」ーー。取材にあたっている地元紙、全国紙の記者は口をそろえて言う。より正確に言えば記者だけではない。急逝した翁長雄志氏の後継候補・玉城デニー、政権与党が推す佐喜真淳両陣営からも同じ言葉が聞かれる。なぜ、世論調査はあてにならないのか? 地元記者も頭を抱える 9月24日、投票日まで1週間を