価値観が移り変わる激動の時代だからこそ、いま、私たちの「当たり前」を根本から問い直すことが求められています。 法哲学者・住吉雅美さんが、常識を揺さぶる「答えのない問い」について、ユーモアを交えながら考えます。 ※本記事は住吉雅美『あぶない法哲学』(講談社現代新書)から抜粋・編集したものです。 裁判のメリット・デメリット人間集団の中での揉め事を解決する方法には、現在のような裁判制度がない時代からさまざまなものがあった。紛争解決の方法はじつは事柄の性質に即して多種多様なのであり、法的解決というのはそれらの中のたったひとつの選択肢でしかない。 にもかかわらず、この訴訟という方法のみを唯一正しいとみて、これをありとあらゆる領域の問題解決に拡張させる考え方、これこそ、法化のもつ病理的側面なのである。 紛争解決のために裁判に訴えることには、利点もあればもちろん欠点もある。まず利点をみてみよう。古代中世