「大学生に読んでほしい本」を、大学の文芸サークルに所属する学生らが選ぶ「大学読書人大賞」の最終選考会が5日、東京・上野で開かれ、大賞に舞城王太郎『好き好き大好き超愛してる。』(講談社文庫)を選んだ。昨年に続く2回目の開催だが、この日、舞台に立った学生に共通していたのは、「今を生きる人間としてどんな本を読むべきか」という深い問いだった。 作家が選考委員の文学賞と一線を画す賞には、書店員が投票で「売りたい本」を選ぶ「本屋大賞」がある。が、1000人以上がエントリーした今春の受賞作は、既に50万部近い大ヒットとなっていた、湊かなえ『告白』。人気投票という側面も大きい。 一方、大学読書人大賞はどうか。本の推薦から、推薦文(評論)を書くまでのすべてがサークル単位で行われるとあって、学生らは議論を繰り返しながら、自分たちの推す1冊を決めていく。最終候補を『好き好き…』、『告白』、犬村小六『とある飛空士