本島 修司 作家、エッセイスト 北海道生まれ。作家、エッセイスト。洞察力とパンクでシニカルな独特の文体で、日本の競馬評論界に置いて孤高の書き手として知られる。 この著者の記事を見る
![逃げる女性は美しい:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/26ae22f73683de61816836672df99f9156602751/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Fopinion%2F16%2F030400007%2F030400002%2Ffb.jpg)
多くの日本人にとって、「エッいまだに?」と驚いてしまうことが米国で続いている。米市民の10人中4人が、人間が神によって創造されたといまだに信じているのだ。 いや、ようやく10人中6人が「進化論」を信じるようになったと言い換えた方がいいかもしれない。米ピュー・リサーチ・センターが2015年11月に明らかにした調査で、ほぼ6割が進化論派になった。2004年11月に米CBSテレビが行った世論調査では、回答者の55%が「創造論」を信じていると答えていたのだ。だが過去10年で急速に進化論を信じる人が増え、形勢が逆転したのだ。変化が起きていると述べて差しつかえないだろう。いったい過去10年で何が起きたのか。 その前に、ここで便宜的に使った創造論と進化論という言葉について簡単に記しておきたい。 創造論は、神が(旧約聖書ではエロヒム)天地を創造。さらに、自分をかたどって男と女を創造したとする捉え方だ。旧約
毎年、超会議は千葉県にある幕張メッセの1~8ホールを使っている。今年はこれに加えて離れにあたる9~11ホールへと会場を拡大。幕張メッセのすべてを占拠する国内最大級のイベントに、昨年より2万6000人ほど多い15万1115人が集結した。「ニコニコ生放送」を通じた生中継の視聴者数も2日間で延べ794万人以上と、過去最高だった。 例年以上の人気を見せつけた超会議。だが、今年ならではの意義を見いだす、となると難しい。これぞ、という今年の目玉やテーマが見当たらない。 「ニコ動のほぼすべてを地上に再現する」「ネットとリアルの融合」という超会議に流れる通奏低音は変わらないのだから、回を重ねるに連れ、マンネリ化するのは当然と言えば当然。取材成果をどうアウトプットしようか悩んでいたところ、5月末に超会議の統括プロデューサーに会う機会があり、「マンネリを感じた」と率直にぶつけた。 すると、「今年のコンセプトは
「あら、日本にもWAGYUがあるのね」 牛肉業界団体の担当者は和牛のPR活動で訪れた欧州で、現地の消費者にこう言われ、唖然とした。相手に、WAGYUのWAという字はそもそも「日本」の意味なのだと説明しながら、虚しさを隠し切れなかった。「満を持して輸出を再開したら、大きな注目を集めた以前とは全く状況が違った。まるで『浦島太郎』のような心境だよ」。 日経ビジネス5月18日号特集「円安でも儲からない」で紹介したように、日本産の高級牛肉である和牛の輸出が想定ほどには伸びていない。最も大きな障害となっているのが、外国産WAGYUの存在だ。 1990年代、研究用として米国に渡った日本の黒毛和牛が現地の品種との交配を重ね、米国産のWAGYUは誕生した。その後、さらに海を渡り、オーストラリアやフランスなどにも普及。ステーキ用の精肉で和牛の3~5割程度という安さを売りに、世界市場を席巻している。 日本の和牛
三木 雄信(みき・たけのぶ)氏 三菱地所を経て、1998年にソフトバンクに入社。2000年に社長室長に就任。孫正義氏の下で、「ナスダック・ジャパン市場開設」「Yahoo! BB事業立ち上げ」などにプロジェクトマネジャーとして関わる。2006年にジャパン・フラッグシップ・プロジェクトを設立し、社長兼CEOに就任。ベンチャー企業から上場企業まで投資すると同時に社外取締役として支援している。内閣府原子力災害対策本部では、廃炉・汚染水対策チーム・プロジェクトマネジメント・アドバイザーとして支援している。『世界のトップを10秒で納得させる資料の法則』(東洋経済新報社)、『孫正義「規格外」の仕事術』(PHPビジネス新書)など著書多数。 三木:僕はソフトバンクの社長室長をしていた頃、孫社長が出席するすべての会議に同席し、稟議書や契約書に捺印するのを全部見ていました。そこで、孫社長を納得させる資料作りを学
2016年1月にスタートする「マイナンバー」制度。国民一人ひとりに番号を割り振り、税や社会保障などの分野で活用する制度で、国内のあらゆる企業が対応を迫られる。導入までほぼ1年に迫ったが、準備は遅々として進んでいない。 マイナンバーの罰則は厳しい。取り扱いをおろそかにすると従業員が逮捕されたり、企業が罰金刑に処せられたりする恐れもある。さらに2016年からは、アルバイトを雇う際にもマイナンバーが必須となる。日経ビジネスオンラインで3回にわたり「マイナンバー制度で企業はどう変わる」を連載した、野村総合研究所の梅屋真一郎氏に話を聞いた。 (聞き手は小笠原啓) 2016年1月から「マイナンバー制度」(行政手続番号法)がスタートします。導入すると何が変わるのか、私も含め、理解していない人が多いのではないでしょうか。 梅屋:それではまずいんですよ。状況は極めて切迫しています。マイナンバーはあらゆる企業
矢野:そうですか。 店舗の中で、居場所と体の動きを検知できるセンサを従業員が身に着けて、来店したお客様にも買い物の間だけ身に着けてもらい、毎秒20回ずつひたすらデータを取り続けるわけですが、それを解析した人工知能コンピュータがすごく意外な影響要因をはじき出した。 店内のいくつかの「ある特定の場所」に従業員が「いる」だけで顧客単価が向上するというんですね。そこでの滞在時間を1.7倍にしただけで顧客単価が15%も増えたとか。でもそれがどういう理由なのか言葉ではうまく説明できない。これは、具体的にはどういうことをコンピュータでやっているんですか。 矢野:ごく単純に言うと、1人のお客さんがいくらお金を使うかという売り上げというマクロな量に対して、影響を与えるかもしれない要因はものすごくたくさんあります。そのたくさんの要因の中で、影響がありそうな候補を何千個、何万個と自動で作り出し、かつそれらを絞り
W杯がはじまって2週間が経過した。 体調は、予想されていたことではあるのだが、かなりよろしくない。 深夜から早朝にかけての観戦と、昼の間のランダムな昼寝の繰り返しで、睡眠のリズムが乱れている。 感情の起伏も、おそらく、体調に悪い影響を及ぼしている。 無感動になりがちな初老期の男は、むしろ積極的に感情を起伏させる機会を持つべきだというご意見もある。 大筋としてはおっしゃる通りだ。 でも、乱高下は良くない。 サッカーは、そういう意味で、私にとって、あまりよろしくない娯楽なのだろう。 つつしまねばならない。 英国には、「サッカーは少年を紳士にするスポーツだ」ということわざがあるのだそうだが、私は出典を疑っている。つまり、私は、この成句について、どこかのサッカー関係者が捏造したデタラメかもしれないと思っているということだ。サッカー関係者には、非サッカー関係者同様、うそつきが多い。【※編注】 英国に
先日、飲み会の席で「…だって世の中、『飛行機がなぜ飛ぶか』ということすら、本当は分かっていないんですから」という声が聞こえてきた。読者の多くの方もきっと、同じ話を耳にしたことがあると思う。 「常識と思っていることは、実は単なる思いこみだ」という文脈か、「科学なんてたいしたことないじゃないか」という話か、そこまでは分からなかったが、声にはちょっと嬉しそうな響きがあった。 もちろん科学は宗教ではない(こちら)。「信じる」ことが基本姿勢の宗教に対して、科学のそれは「疑う」ことだ。リンク先の記事の通り、科学を宗教的なものと誤解しないためにも、「本当はどうなんだ?」と疑う姿勢は大切だ。その一方で、「結局、科学といっても本当は何も分かってないんだよ」という見方は、シニカルな態度にもつながっていきそうでなんとなく違和感がある。 それはさておき、高速で空を飛び、多くの人命を載せる航空機がなぜ飛ぶか、本当に
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