パーキンソン病患者の脳にウイルスを使って遺伝子を組み込む国内初の遺伝子治療を実施している自治医科大学で、治療を行った患者6人のうち5人の運動機能が回復した。 ウイルスの安全性についても確認できたという。症例が少なく、まだ一般的な治療としては使えないが、患者の生活を大きく改善する可能性をもつ成果だ。 パーキンソン病は、手足にふるえなどが生じる神経難病で、国内に約12万人の患者がいる。脳の「線条体」で神経伝達物質ドーパミンが不足することが原因と考えられており、現在はドーパミンの元になる「L―ドーパ」を投与する薬物治療が主流。だが、病気が進行するとL―ドーパからドーパミンを作る酵素が不足し、薬効が低下していくことが問題だった。 そこで中野今治(いまはる)教授(神経内科)らは、2007年5月から08年9月にかけて、ドーパミンを作る酵素の遺伝子を組み込んだ特殊なウイルス約3000億個を、パーキ