【ニューヨーク=松尾理也】キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(83)と、その弟、ラウル・カストロ現議長(78)の妹で、現在は亡命先の米マイアミに住むフアナ・カストロさん(76)がキューバ革命(1959年)直後の60年代、「ドナ」のコードネームで米中央情報局(CIA)のスパイを務めていた事実を、26日に出版した回想録で明らかにした。 カストロ前議長は数々の暗殺の危機をくぐり抜け、鉄壁の情報管理を敷いたとされるが、CIAは身内にまで手を伸ばすことに成功していたことになる。 回想録「フィデルとラウル、私の兄たち」によると、フアナさんは当初、革命を支持していたものの、相次ぐ粛清やカストロ前議長の急激な共産主義への傾斜に疑問を抱くようになった。 その後、ブラジルの駐キューバ大使の妻に説得され、61年にメキシコ市のホテルで「エンリケ」と名乗るCIA職員と面会。「ドナ」の名を授けられ、兄たちや