フロレンティーノ・ペレスは、レアル・マドリーが周囲から凄まじいプレッシャーを受け、だからこそ世界最高のクラブとして君臨していることを常々強調してきた。会長の主張は、何も間違っていない。マドリーという概念には灰色という中間色が存在せず、白か黒、つまりは成功か失敗しかないのである。そして、まもなく終わりを迎える2014-15シーズンは、不幸にも漆黒のものとなってしまった。 チャンピオンズリーグ(CL)準決勝でユヴェントスに敗退へと追いやられ、リーガでバルセロナの優勝を許したことは、今季後半戦から生じた混沌を末期的なものとした。マドリーは現状をクライシスと定義することを極力避けたいようだが、それ以外の言葉を探し当てるのは難しい。カーサ・ブランカ(白い家)の扉の中では、ナイフや包丁が飛び交っているのだから…。現在、クラブの内部は負の感情だけが膨れ上がっているのである。 動き始めたフロレンティーノら
その短い指導歴の中で、ルイス・エンリケがおそらくアンタッチャブルである伝説的な選手との衝突を経験するのは初めてのことではない。カンプ・ノウにおけるエンリケの危機は、バルセロナの役員に、リオネル・メッシはもはやエンリケと一緒に仕事はできないと言わせしめた。 まるで予言であるかのように、ジャッロロッシの神にも近い存在、フランチェスコ・トッティの力を抑えようとしたローマ監督時から、その運命は見えていた。 2011年夏にスタディオ・オリンピコで2年契約にペンを走らると、親友同様にルセロナBを2部リーグ過去最高位に導いたエンリケは、すぐさま「新たなるグアルディオラ」と位置づけられた。トーマス・R・ディ・ベネデット率いるアメリカの投資グループに買収された数カ月後、彼こそがローマを新たな栄光の時代に導く完璧な人材だとみなされたのだ。 だが、イタリアの首都における彼の治世はまったくの混乱に陥り、1年ももた
チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、バルセロナFWルイス・スアレスが自伝の中で昨シーズンの対戦でのチェルシーの戦術を批判したことについてコメントを求められると、自分自身は自伝を書くつもりはないとコメントしている。 昨季までリヴァプールに所属していたL・スアレスは、先日発表した自伝の中で、昨シーズン終盤のプレミアリーグで対戦した際のチェルシーの戦術を批判。チェルシーが2-0で勝利し、リヴァプールの優勝の可能性が事実上絶たれた試合について、次のように述べている。 「どの監督にもそれぞれのやり方があるが、唯一気に入らなかったのは、彼らが最初から時間稼ぎをしてきたことだ。『なぜ最初の1分からこんなことを?』と自分に問いかけたよ」 「ある相手選手に質問もしてみた。その選手はこう答えたよ。『どうしろと言うんだ? 彼(モウリーニョ)が僕らにこういうプレーをさせるのなら、こうしなければならないんだ。ほ
ワールドカップ(W杯)の最後の数日が過ぎていくのと並行して、いくつかのクラブはすでに新シーズンに向けて移籍市場での大きな動きを見せてきた。その中でも最大のものであり、最も騒動を引き起こしたものは、ルイス・スアレスのリヴァプールからバルセロナへの移籍だ。 バルセロナは常にクラブのイメージに細心の注意を払ってきたクラブであり、これまでの栄光の歴史の中にはピッチ上での勝利だけではなく、称賛すべきチャリティー活動なども含まれていた。 たとえば、バルセロナは「ピエス・デスカルソス」という団体を支援している。歌手のシャキーラ(バルセロナCBピケの恋人でもある)の設立した団体で、コロンビアの激しい国内紛争のために不安定な状況での生活を強いられている多くの子供たちの教育や食糧事情を改善し、命を救うことを目的としている。 より有名なのが「逆スポンサー」で、バルセロナはユニフォームにユニセフのロゴを入れるため
南アフリカ・ワールドカップ(W杯)で史上初の栄冠を手にしたスペインは、ブラジル大会を裏口から去ることになった。失望だけが残った南アフリカ大会以前の闇に導かれたのである。 失意のどん底に陥れられたオランダ戦(1-5)。そこから這い上がれぬまま、グループステージ敗退が決定したチリ戦(0-2)。王者の意地という不毛なる名目で勝利したオーストラリア戦(3-0)。EURO2008、南アフリカW杯、EURO2012と主要国際大会3連覇を果たしたスペインサッカーの黄金世代は、今大会で“ラ・ロハ(スペインの愛称、赤の意)”の歴史の中でも最も悲惨な一ページを綴っている。フトボルの中心に位置付けられていた彼らは、なぜこのような失敗を犯したのだろうか。私から8つの理由を挙げさせていただく。 1.招集メンバーの是非 ビセンテ・デル・ボスケが選出した今回のメンバーは、これまでで最も疑問符のつくものだった。失望のシー
「ティキ・タカ」の死が確認されたのに続いて、スペイン代表チーム「ラ・ロハ」自体もマラカナン・スタジアムで壮絶な死を遂げることになった。昨年にはコンフェデレーションズカップ決勝でブラジルに敗れ去った場所で、今度はチリにサッカーのレッスンを施されてしまった。 実際のところ、この試合と前回のオランダ戦で見られた戦いから判断すれば、過去2回のEUROと前回のワールドカップを制覇した伝説的なチームの面影はほとんどと言っていいほど見られなかった。しかし、時代の終わりを宣言するには慎重にならなければいけない。いくつかの副次的な周辺事情も考慮に入れる必要があるためだ。 まず最初に、ほんの数週間前にはスペインのクラブが(少なからずスペイン人選手を擁して)チャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグを制していたという事実だ。その結果にふさわしい素晴らしいサッカーも見せていたし、CLに至っては決勝を戦う前から
90分という時間には多くのことが起こり得るもので、栄光が挫折に、愉楽が失望に変わってしまうこともある。世界王者に君臨するスペインが、その歴史において最も屈辱的かつ悲惨な敗戦を喫することも、また然りだ。前大会決勝と同じ対戦カードとなったブラジル・ワールドカップ(W杯)・グループB第1節スペイン対オランダは、史上最高のスペインが過去の遺物となったことを表明する一戦となってしまった。 ルイス・ファン・ハールによって厳格なコレクティビティーを手にしたオランダは、ビセンテ・デル・ボスケを批判の渦中に陥れている。結果論だが、スペイン人指揮官はEURO2008、南アフリカW杯、EURO2012を制した我々のフトボル史に燦然と輝く黄金世代を過剰に信頼し過ぎた。ただ個人的に、彼には我々の英雄たちを信じ続ける権利があったように思う。そう振る舞っていなかったとしたら、不当な指揮官として扱われていたことは必至だ。
レアル・マドリーでアシスタントコーチを務めるジネディーヌ・ジダン氏は、リヴァプールMFスティーブン・ジェラードは、プレミアリーグのタイトル獲得に値する選手だと称賛している。 リヴァプールは、リーグ戦34試合を戦い勝ち点77で首位に立ち24年ぶりのタイトル獲得に向けて大きく前進している。 ジダン氏のコメントを、イギリス『デイリー・ミラー』は、以下のように伝えている。 「彼は自身のキャリアで多くのものを勝ち得てきたけど、もしリヴァプールでリーグ優勝することなく、キャリアを終えることになったら非常に残念だ。彼はリーグタイトルに値する選手だよ」 「彼にはマドリーやチェルシーが関心を示していたんだ。彼は欧州のすべてのチームでプレーできたけど、移籍を断ってきた。そういった忠誠心を示してきたんだ。タイトルを取るべきだよ」 ジダン氏は、ジェラードと元マンチェスター・ユナイテッドのMFポール・スコールズは、
スペインにおいては、フトボルは感情に左右されるスポーツと言われ続けている。戦術面ももちろん重視されるが、勝利を求める姿勢を示さなくては何も手にすることはできない。しかしながら、現在のバルセロナにそのような姿を見ることはできず、王者となることを希求する意思は完全に挫かれている。チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でアトレティコ・マドリーに土をつけられ、グラナダ戦を0-1で落としてリーガエスパニョーラ優勝の可能性もほぼなくなり、コパ・デル・決勝でマドリーに敗戦。バルサはこの2週間で、2008年以来の混沌に包まれることになった。 2008年、2シーズン連続で主要タイトルを獲得できなかったジョアン・ラポルタ率いる役員会は、フランク・ライカールト解任、さらにはロナウジーニョとデコの放出というリスクある決断を下し、当時バルセロナBを率いていたペップ・グアルディオラをトップチームの指揮官に昇格させた。こ
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