内容再生医療の鍵を握るとして注目される幹細胞。すべての脳細胞の源となる神経幹細胞は、どのように出来るのでしょうか?今回、自然科学研究機構・生理学研究所の等 誠司(ひとし せいじ)准教授らの研究グループは、脳の全ての細胞の起源である神経幹細胞が生まれる際に、DNAの「脱メチル化」が起きることを世界で初めて示しました。ES細胞やiPS細胞を用いて神経細胞を作る際にも、この分子メカニズムが働いていると推定され、効率的な神経細胞の作製技術の進歩に期待できる研究成果です。英国科学誌のNature(ネーチャー)姉妹誌であるNature Neuroscience(米国・7月17日電子版)に掲載されます。 細胞が持つDNAには全ての遺伝子(ゲノム)情報が書き込まれていますが、細胞ごとの特徴に応じて必要な情報とそうでない情報が選り分けられて、不必要な情報は言わば「糊付け」によって隠されています。この「糊付け