概要脳梗塞などによる大脳皮質への損傷が大人で生じると、損傷と反対側の手足に麻痺が生じ重い後遺症として残る一方、子供で同様の脳損傷が生じても麻痺が回復する傾向が見受けられます。動物実験モデルにおいても、大脳半球切徐を成熟ラットで行うと損傷対側の麻痺症状は重篤であるのに対し、幼若時に片側皮質を切除したラットでは成熟時において対側上下肢の運動機能に異常が少ないです。運動機能回復の神経メカニズムとして、損傷と反対側の大脳皮質から障害側の脊髄に軸索が新たに投射されていることが報告されています。しかしながら、大脳皮質から脊髄運動ニューロンまでどのような神経回路を介して運動制御シグナルが伝わって機能回復に役立っているのかはわかっていませんでした。 今回、我々は、幼若時に片側皮質切除したラットにおいて、損傷と反対側の大脳皮質錐体細胞の軸索を電気刺激した結果、障害側の運動ニューロン(健常皮質と同側の運動ニュ
「さする」と反応、神経の突起を伸ばす新たな分子メカニズムを解明 ―神経の細胞伸展の感知センサーを発見― 概要打撲したり骨を折ったりしたときに自然とさすってしまうことが良くあります。そうした傷を負ったときには末梢の神経も傷ついてしまいますが、「さする」ことでどのような効果があるのでしょうか?今回、群馬大学大学院医学系研究科の柴崎貢志 講師は、生理学研究所の富永真琴 教授らとの共同研究で、神経が伸びていく際に重要なセンサー・タンパク質TRPV2(トリップブイ2)センサーの働きを解明しました。この、TRPV2センサーは、「さする」などの伸展をうながす物理的な力がかかったときに働き、神経が突起を伸ばすことを助けていることがわかりました。傷ついた神経の再生にもつながる成果です。3月31日(米国東部標準時間)づけの米国神経科学会誌に掲載されます。 今回、柴崎講師らは、熱を感じる分子センサー(タンパク質
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