都内在住の会社員、坂田良子さん(39歳、仮名)は、約5年にわたる不妊治療の末に出産したが、治療終盤、胚移植(体外受精で受精卵を子宮に戻すステップ)が4回連続で成功せず、友人と会う気力を失うほど落ち込んだという。 高校時代から不妊に関心があり、大学生の頃には、加齢に伴う妊孕性(にんようせい、妊娠のしやすさ)の低下という事実まで認識していた坂田さんでさえ、治療の長期化による精神的ダメージは想像以上だった。 「それまで、勉強も仕事も、一生懸命やれば大抵のことはできてきた。だから一生懸命治療すれば子どもは授かるとどこかで信じ切っていました」 かと思えば、40代で1回の体外受精で出産という例もある。「夫42歳、妻35歳で結婚し、7年間子どもができませんでした。周囲の助言でクリニックに行くとすぐ体外受精を勧められ、1回で授かった」。ただしこの夫婦も3回挑んだ2人目の治療はうまくいかなかった。 このよう