なぜ日本の経済は低迷を続けているのか。野口悠紀雄・一橋大学名誉教授は「異常な円安を誘導したアベノミクスが原因だ。日本円の購買力は低下し、円安で利益を増やした企業は、技術革新を怠り国際競争力を失ってしまった」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、野口悠紀雄『日本が先進国から脱落する日』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。 ■アメリカ人にとって「日本のビッグマック」はかなり安い 英誌『The Economist』が、各国のマクドナルドで販売されているビッグマックの価格を調査し、公表している。2021年6月のデータを見ると、つぎのとおりだ。 日本のビッグマックは390円。これを、1ドル=110円という6月時点の為替レートで換算すると、3.55ドルになる。 他方で、アメリカのビッグマックは5.65ドルだ。日本円にして621.5円。したがって、日本のビッグマックはアメリカの価格