本は「もの」なのだ - 「本というものがどのようにしてつくられているのかを、ノンフィクション作家の稲泉連氏がドキュメントで追いかけたのが、本書である。」(続きは書評で) 雑誌の編集者でもあり装釘家でもあった花森安治は「一冊の本というものは、著者と装釘者と印刷者の共同作品である」と装釘家としての自信の程を滲ませたが、晶文社の作品のほとんどを装幀した平野甲賀氏は「本と読者をつなぐのは、あくまでもその本の中身だと思う。装丁は、ちょっとしたサービス。」と書いたことがある。 平賀氏の言葉は謙遜したものだろうが、それにしてもここにも職人としての自信がみなぎっているように感じる。 本というものがどのようにしてつくられているのかを、ノンフィクション作家の稲泉連氏がドキュメントで追いかけたのが、本書である。 本というものをそれを作り手側から見ると、それが工業製品であることがよくわかる。 紙の本か電子書籍か、