任天堂と仕事をしたことが、セガの役員になる一因だった ――『スパイクアウト』のリリースからしばらくして、ドリームキャストを最後にセガが家庭用のゲームハード事業からの撤退を表明することになりました。当時名越さんは、そのことをどう捉えていたのでしょう? 名越それまで業務用(アーケードゲーム)の仕事ばかりしていた俺は、当時のドリームキャストを取り巻く環境のことをよく知らなかったので、「家庭用ハードからの撤退は残念だな」くらいに思っていたんです。ただ、「これでセガはソフトハウスになるんだな」と思ったとき、急に家庭用ゲームに興味が沸き始めて。というのも、「これで大手を振って他社のハードのゲームも作れるんだ」ということに気付いたんです。それで、すぐさま任天堂さんに行って。 ――行動が早いですね(笑)。 名越向こうは「レースゲームですか? 格闘ゲームですか?」みたいな感じだったんですけれど、俺は『スーパ