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ブックマーク / mandanatsusin.cocolog-nifty.com (10)

  • あれから一年 - 漫棚通信ブログ版

    あの日から一年。震災を語るマンガがいろいろと登場しています。 日で特異に進歩し広く普及した「マンガ」という形式が、日全体を巻き込んだ大災害を題材にするのは当然といえば当然でしょう。災害はなお現在進行形で、落ち着いたわけではぜんぜんない。しかしだからこそ、これを描きたいという意欲と責任感が、作家や出版社にはあるようです。 ただしマンガ表現としての虚実のレベルはさまざま。 ●しりあがり寿『あの日からのマンガ』(2011年エンターブレイン、650円+税、amazon) ●槻月沙江『震災7日間』(2011年プレビジョン/角川グループパブリッシング、1300円+税、amazon) ●いましろたかし『原発幻魔大戦』(2012年エンターブレイン、660円+税、amazon) ●鈴木みそ『僕と日が震えた日』(2012年徳間書店、590円+税、amazon) ●吉浩二『さんてつ』(2012年新潮社、

    あれから一年 - 漫棚通信ブログ版
    puteeui
    puteeui 2012/03/20
    震災を語るマンガ
  • 辰巳ヨシヒロがなにやらすごいことになってる - 漫棚通信ブログ版

    今年の1月に発行されたですが、書店でこういうのを見つけて買ってきました。 ●辰巳ヨシヒロ『限定復刻版 黒い吹雪』(2010年青林工藝舎、1500円+税、amazon書は1956年に描かれた貸向けマンガ単行の復刻。手塚治虫文化賞大賞を受賞した辰巳ヨシヒロの自伝マンガ『劇画漂流』(2008年青林工藝舎)によりますと、辰巳ヨシヒロ自身が『黒い吹雪』を描いている最中、これぞ創作のダイゴ味、と手応えを感じた作品だそうです。 『黒い吹雪』のアマゾンでの紹介文を読んでいただければわかりますが、今や辰巳ヨシヒロは、各国で日を代表するマンガ家として評価されてます。 80年代以降むしろ海外で評価され、国際的なコミック・フェスティバルにノミネートされること多数。2005年の仏アングレーム国際コミック・フェスティバル、2006年の米サンディエゴ・コミック・コンヴェンションでは、マンガを大人の観賞に堪

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  • 水木しげるの少女マンガ - 漫棚通信ブログ版

    NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」見てますか? わたし皆勤賞です。けっこう楽しんで見てますよ。 先週は富田書房(=兎月書房)がついに倒産。えらいこっちゃの最中に長女誕生。というお話でした。あくまでもフィクションなので時空がゆがみまくってる「ゲゲゲ」ですが、これはほぼ史実どおりですね。1962年末のことです。 1964年に「ガロ」創刊、1965年には「少年マガジン」デビューですから、極貧生活もあと少しだ。がんばれ、ゲゲゲ。 さて、テレビでは水木しげるが「水木洋子」名義で少女マンガを描き、奥さんがそれを知って衝撃を受ける、というエピソードがありましたが、水木しげるが少女マンガを描いてたのはホントです。ただしテレビとは年代がずれてます。 山口信二『水木しげる貸漫画のすべて』(2007年YMブックス/やのまん、2000円+税、amazon、bk1)というたいへんすばらしいがありまして。amazon

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  • われらの内なるヤンキー的なもの - 漫棚通信ブログ版

    高知のよさこい祭りは、阿波踊りをまねた観光のための盆踊りとして始まりました。最初は地味な踊りだったのですが、歴史が長くないぶん踊りの自由度が高く、その形はどんどん変化していきます。派手な衣装、濃い化粧、トラックにのせたPAから大音量で楽曲を鳴らし、チームごとの振り付けはチョー複雑に。 現在よさこい祭りは札幌に飛び火し「YOSAKOI ソーラン祭り」となり、高知を上回る規模で開催されています。さらに「よさこい」は全国のあちこちで踊られるようになっています。 盆踊りだったものがヤンキー踊りと化し、全国的な人気と市民権を得たわけです。 ヤンキー的なものは、かくも強い。 では、ヤンキー的なものとは何か。 ●五十嵐太郎編『ヤンキー文化論序説』(2009年河出書房新社、1600円+税、amazon、bk1) ●難波功士『ヤンキー進化論 不良文化はなぜ強い』(2009年光文社新書、900円+税、amaz

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  • ストーリーとプロットの違い - 漫棚通信ブログ版

    ストーリー、そしてプロットという言葉はよく聞きますし、わたしも使ってるのですが、このふたつの違いは何か。みなさんは、ぱっと答えられるでしょうか。 実はこれについてわたしが意識したのは、野田昌宏『スペース・オペラの書き方』(1988年早川書房)を読んだときでした。このではストーリーとプロットの違いについて、SF作家、今日泊亜蘭が自作を語る形で、このように述べられています。 そりゃそうだよ、お前、いいかね、『光の塔』で言ゃぁ……だ。 未来の連中が、自分たちの悲惨な現状をなんとかしようと、原子力を乱用してその原因を作った過去の歴史を改変しようと狙って未来から攻め込んできやがって……と、 これが『光の塔』のプロットよ。 それに対して、な。 まず、の冒頭で主人公が木星から帰ってくる宇宙船のなかから窓外に奇妙な飛び火を見る。 そして地球に帰って来てから渋谷で原因不明の絶電現象に出会わす。 それから

    ストーリーとプロットの違い - 漫棚通信ブログ版
    puteeui
    puteeui 2008/04/29
    箱書き
  • マンガ批評入門 - 漫棚通信ブログ版

    いしかわじゅん『漫画ノート』に刺激されてしまい、試みにマンガ批評を分類してみました。 わたしもマンガ批評、のようなものを書いていますが、いつも分類して考えてるわけじゃなくて無意識にやってます。でもマンガ評には、小説評や映画評と違う文法があるのじゃないか。 分類はしてみましたが、いろいろと修正が必要でしょうし、今後さらに新しい切り口が登場することになるのでしょう。でもとりあえず、書いときますね。 以下は主に作品評についての話です。 ◆ (1)作品を語る (1-1)ストーリーを語る マンガのストーリーのどこがどうおもしろいのかを紹介します。ストーリーを要約したりうまく紹介するのもけっこうタイヘンです。 (1-2)セリフを語る いいセリフというのは紹介してみたくなるものです。島和彦作品など、セリフを引用してるだけで、批評みたいなものができあがりますのでたいへんありがたい。セリフ紹介を集中してや

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  • 「虹ヶ原ホログラフ」をじっくり読んでみる(その1) - 漫棚通信ブログ版

    さて、浅野いにお「虹ヶ原ホログラフ」であります。これはきつい。 全一巻で完結しているとはいいながら、複数の加害者が複数の被害者を傷つけたり殺したりする複雑なプロットが、時系列じゃなくて時空をトビまわりながら語られます。しかも過去や未来の自分と出会うシーンがあるわ、何かの象徴である蝶が飛ぶわ、難解だなあ。 ただし、絵や構成が破綻しているわけではなく、著者が読者に内容をきっちり伝えようと努力しているのがよくわかりますので、こっちも受けて立とうじゃあーりませんか。 ■以下、当然のごとくネタバレしますので、未読のかたはご遠慮ください。というか、読んでないと意味不明だと思います。 ■物語はかなり複雑で要約しづらいので、登場人物から攻めてみましょう。便宜上、小学校裏に虹ヶ原がある町を、虹ヶ原町と呼ばせていただきます。 (1)鈴木アマヒコ 世界を滅ぼすことも可能なブリキ缶を持つ主人公。 虹ヶ原町で、木村

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  • 実験は限りなくギャグに近づく - 漫棚通信ブログ版

    こんなを見つけました。 ・マット・マドン『コミック文体練習 99 Ways to Tell a Story: Exercises in Style』(2006年国書刊行会、大久保譲訳、1900円+税) レーモン・クノー『文体練習』(1996年朝日出版社)は、あの『地下鉄のザジ』の作者が、ひとつのエピソードを99の文体で書きわけるという超絶的な実験をして有名になった。書くほうも書くほうですが、日語に訳した人もたいしたものです。けどすみません、わたし読んでません。 で、このはそれをマンガでやってみたもの。原著は2005年。アマゾンに飛びますと、中身がすこしだけ立ち読みできますのでどうぞ。 ひな形となるマンガはこういうもの。ノートパソコンで仕事をしていた男が、立ち上がってリビングへ行く。階上からガールフレンドの声がして「いま何時?」 男が答えて「1時15分だよ」 「ありがとう!」 男は冷

    実験は限りなくギャグに近づく - 漫棚通信ブログ版
  • ネット上のマンガ家辞典 - 漫棚通信ブログ版

    ネット上で、おそらく世界最大のマンガ家辞典と言えるのが、オランダの書店が運営しているlambiek.netの「COMICLOPEDIA」です。なんと9000人以上の紹介があり、わたしも海外マンガ家を調べるときときどき利用させてもらっています。作家の絵を無断で掲載していて、著作権的にはアレなのですが、そこが辞典としてはありがたいところでもあります。 で、わたしも日人らしく、外国から日がどのように見られてるのかけっこう気になったりしますので、lambiek.netで日人作家の項目を調べてみました。 現在のところ、日人作家は203人紹介されてます。以下のひとびと。 ア 会田誠   http://lambiek.net/artists/a/aida_m.htm 青木たかお   http://lambiek.net/artists/a/aoki_takao.htm 赤塚不二夫  http:/

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  • 『ザ・ワールド・イズ・マイン』と『度胸星』 - 漫棚通信ブログ版

    未完の名作と名高い、山田芳裕『度胸星』1巻(2007年講談社、1143円+税、amazon、bk1)が復刊。めでたいことです。 SF方面でも評価されていた作品ですが、2000年の末、突然の連載中止。当時の連載誌、「週刊ヤングサンデー」の編集長交代が影響したと言われています。 いっぽう、昨日再開なった「BSマンガ夜話」初日でとりあげられていた、新井英樹『ザ・ワールド・イズ・マイン』も、同時期にヤングサンデーに連載されていました。ザワールドイズマインの完結が2001年15号。これも最後のほうは超特急の展開でしたから、編集部の意向があったのでしょう。 それでも、ザワールドイズマインのオチのつけかたは、作者が考えたとおりだったようです。「真説」が出版されたときも、大きな変更はありませんでしたし。 昨日のマンガ夜話では、大月隆寛がよくぞフロシキをたたんだ、という意見。いしかわじゅんと岡田斗司夫があの

    『ザ・ワールド・イズ・マイン』と『度胸星』 - 漫棚通信ブログ版
    puteeui
    puteeui 2007/11/29
    『度胸星』は不幸な作品、『ザ・ワールド・イズ・マイン』は最終回にたどりつけたのだから、それだけで幸せな作品
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