女性なら、家族や恋人のために料理するのが当たり前。少食や偏食は矯正するべきだ――そんな先入観に囚われている男女は多いのではないだろうか? そして、その先入観に当てはまらない自分や家族に、複雑な思いを抱いている人も……。 フランス料理をきっかけにグルメブームが始まってから40年、食に焦点を当てるテレビや映画などが世の中にあふれるようになって十数年。食に関する書籍も次々に刊行される。食について文化が成熟してきたためか、フェミニズム・ムーブメントが活発なためか、最近、女性と料理を当然のように結びつけることに対し、違和感を訴える作品が出てきた。その一つが、電子版を含む1・2巻の累計発行部数が35万部を超えたマンガ『作りたい女と食べたい女』(ゆざきさかおみ、KADOKAWA)である。11月15日に 3巻が発売され、11月29日からNHK で比嘉愛未が主演するドラマの放送も始まった。この話題作を通し