【読売新聞】 親が養育できない子を匿名で託せる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」に昨年度9人が預けられたことが発表された29日、慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健理事長は「男性も女性同様に八方塞がりになっている」とし、父親が困窮
全国的に後を絶たない母親による赤ちゃん殺害事件、その背景を探る2人の医師がいる。「こうのとりのゆりかご」などの取り組みを続ける慈恵病院の蓮田健理事長と、精神科医の興野康也医師だ。2人の活動を追った。 証言台に立つ産婦人科医・蓮田理事長 2023年9月、熊本市西区にある慈恵病院の蓮田理事長が向かったのは愛媛県。自ら産んだ赤ちゃんを殺害した罪に問われた被告の裁判で、弁護側の証人として出廷するためだ。 蓮田理事長はこれまで、予期せぬ妊娠に直面した女性と向き合う中で、あることを感じていた。 この記事の画像(15枚) 慈恵病院・蓮田健理事長: 驚きましたのは、赤ちゃんの遺棄殺人をしてしまった女性と、ゆりかご(赤ちゃんポスト)内密出産の女性は、背景や特性の一致点が多い。孤立を深めていると思う 33歳の被告は2022年4月、愛媛・新居浜市の竹林で赤ちゃんを出産して水路に放置し、殺害した罪に問われた。 「
親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する熊本市の慈恵病院の蓮田健院長は13日、報道陣の取材に応じ「匿名が認められないと、ゆりかごの存在否定になる」と強調した。市の専門部会が5日、「最後まで匿名を貫くことは容認できない」として、実名化に向けた環境整備を求めたことに反論した形だ。 部会は専門家5人で構成され、ゆりかごの課題を検証する。5日発表の報告書では、出自を知る子の権利を守り母親の支援態勢を整えるため、秘密は守りつつ、預け入れる家族の「実名化が必要」だと指摘した。 蓮田氏は、ゆりかごに子を預け入れた女性が匿名性を否定するような報告書の内容を伝える報道を見つけ「不安だ」と懸念を示した例を紹介した。「ゆりかごは匿名性を保障している」と改めて強調し、疑念を生じさせるような市側の発信に苦言を呈した。
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