今年は金木犀が遅い。遅いというのは、「ああ、どこからか金木犀の香りがする」と感じる季節が、なんだか、2週間くらい遅れている気がする。金木犀ばかりではない。さまざまな植物の生育が、長い真夏日の連続のせいか、狂っているように思える。そんな思いで散歩していると、セイタカアワダチソウを見かけた。ちゃんと背が高い、セイタカアワダチソウだった。近年見かけるセイタカアワダチソウは背が低いことが多い。これは気象異常だけのせいでもないだろう。この植物は「アレロパシー」といって、根から毒を出して近くに育つ植物の成長を抑制するらしい。そして、この毒に結局自分もやられてしまうという。まさに自業自得という感じがする。 セイタカアワダチソウは私が若い頃、40年前かな、あちこちに咲いていた。奈良の薬師寺を川のほうから見ると、なんとも美しい光景で、全景が真っ黄色に染まっていた。セイタカアワダチソウの群生が黄色い花を咲かせ