世界最大の戦艦である旧日本海軍の大和型。しかし第2次大戦が始まる前、1930年代前半まで世界最大だったのはイギリス海軍の「フッド」でした。イギリスの象徴でもあった「フッド」が生まれた経緯と、一瞬にして沈んだ理由を探ります。 「北大西洋のライバル」独戦艦に対抗すべく誕生 2021年5月は、イギリスとドイツの戦艦同士が砲火を交えた「デンマーク海峡海戦」が起きてからちょうど80年でした。デンマーク海峡海戦ではドイツ戦艦「ビスマルク」の奮戦が比較的知られていますが、そのビスマルクに比肩する威容を誇りながら、その「ビスマルク」と撃ち合った結果、一瞬にして波間に沈んでしまった艦がありました。それがイギリス巡洋戦艦「フッド」です。 なぜ「フッド」はそこまであっけなかったのか、大英帝国の象徴としてイギリス国民に愛された“スタイリッシュ戦艦”の誕生から終焉までを見てみます。 拡大画像 1924年当時のイギリ