レッサーハナナガコウモリは、砂漠の生態系に欠かせない花粉媒介者だ。(PHOTOGRAPH BY TOM VEZO, MINDEN PICTURES) アメリカ大陸最古の蒸留酒メスカルの人気が再燃している。米国では、2019年の輸入量が50%以上増加し、原産国であるメキシコの消費量を初めて上回った。2020年の状況はまだわからないが、業界は成長傾向が続くと予測している。 メスカルは、とがった葉のある大型の砂漠植物リュウゼツラン(アガベ)を原料にするメキシコの蒸留酒。地域密着型で小規模の製造が多い。 だが、その人気の高まりは、ある動物にとってはバッド・ニュースとなる。花蜜を作り出す前にリュウゼツランが過剰に刈り取られることで、主要な花粉媒介者であるレッサーハナナガコウモリ(Leptonycteris yerbabuenae)が大きな影響を被るというのだ。 体重30グラム足らずのレッサーハナナガ