国際標準という名のルールをつくり、規制という名のルールを変える──。ルール形成にたけた人材の存在が企業の競争力を左右する。優れたビジネスモデルや技術から最大限の収益を生む戦略人材を育てる時だ。 東京大学にはルール形成戦略を学ぶゼミがある。2021年に始まった「経済安全保障と知的財産をめぐる合理的なルールの形成」と題するゼミで、どの学部の学生でも受講できる。法学者で東京大学先端科学技術研究センター特任教授の玉井克哉氏が週に1度、ルール形成と経済安保をテーマに授業を行う。 取材に訪れた日は6名の学生が参加していた。足元の地政学リスクを踏まえて日本企業がどのようなルール形成戦略をとる必要があるかについて議論を交わした。「ルール形成と経済安保は密接に結びついている。法律などのルールを学問として学ぶだけでなく、実践的なルール形成戦略を学ぶ機会が必要だ」と玉井氏は話す。 履修する学生の進路は様々だ。弁