P&Gで学ぶ価値観はマーケティング部門だけではなく、営業やファイナンス、研究開発や工場で働く社員まで徹底されている。工場見学に行ったとき、インターネット上の消費者の生の声をソーシャル・リスニング・ツールを使ってリアルタイムに収集・分析し、改善点を見つけては工場のラインを改善していた。このことを知ったときには、自社のことながら非常に誇りに思ったのを昨日のように覚えている。 あらゆる部署で「消費者がボスである」という価値観の徹底は経営上、特に部署を超えた意思決定にも非常に効率的に働く。会社全体で同じ価値観が共有されることで、いわゆる部署間での意見のすれ違いはほとんどなくなる。たとえKPI(重要業績評価指標)が部署によって異なったとしても、最終的には「消費者にとって本当に意味があるのか」という共通の視点・消費者理解をベースに議論がなされるため、スムーズな意思合意に到達できる。 そのためのビジネス