今夏に開催が予定される東京オリンピック・パラリンピックをめぐり、大会関係者の差別的言動がまたも表面化した。 開閉会式の演出を担当するクリエーティブディレクターの佐々木宏氏が、人気タレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱するようなアイデアを提案していたという。 無料通信アプリ「LINE」を使った演出チーム内でのやりとりだった。女性に対して不適切だなどと反対意見が相次ぎ、アイデアは撤回された。 昨年3月の出来事だったが、週刊誌報道で問題が発覚し佐々木氏は総合統括のポストを辞任した。 容姿で人をからかう行為は「ルッキズム」と呼ばれ、差別に当たる。人権意識の欠落は明らかだ。謝罪文で佐々木氏は「私が調子に乗って出したアイデアです」と述べた。その言葉通り、差別の認識がなかったとすれば逆に深刻だ。 東京大会は「多様性と調和」を理念に掲げる。とりわけ、開閉会式は五輪やパラリンピックの素晴らしさとともに、日本とし