江戸川乱歩とともに日本の探偵小説の歴史を開いたと言われる横溝正史。 「八つ墓村」や「獄門島」など、映画やドラマにもなった作品も多く、もじゃもじゃ頭によれよれのはかまでおなじみの名探偵が登場する「金田一耕助シリーズ」で、今も多くのファンを持つ。 その晩年の創作活動を知る新たな資料が複数、見つかった。 そこからは、これまでにない「本格推理小説」を生み出そうとする情熱、そして、呻吟とも言える苦悩の一端がかいま見えた。 横溝正史は、1902年、兵庫県生まれ。ことしはちょうど生誕120年だ。 1921年、短編の探偵小説「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー、その後、江戸川乱歩とともに日本の探偵小説をけん引していった。 代表作は、もじゃもじゃ頭によれよれのはかまでおなじみの名探偵が事件を解決する「金田一耕助シリーズ」だ。 横溝の創作に関わる多くの資料は、二松学舎大学が所蔵している。 日本の近代文学を研究してい