「ライセンス管理や脆弱性の管理はソフトウエアの中身が分からないとできない。SBOM(Software Bill of Materials、エスボム)利用の目的を明確にして、サプライチェーンの企業に提出を依頼している」――。トヨタ自動車の担当者はこう語る。「(ソフトウエア部品情報の)伝言ゲームを効率的に正確に行うためのツールとしてSBOMがある」(同担当者)。 SBOMに取り組むのはトヨタだけではない。ルネサスエレクトロニクスやキヤノンも力を入れている。キヤノングループでは医療機器の開発などを手掛けるキヤノンメディカルシステムズも取り組みを進めており、現在生産している約2000の製品群でSBOMをつくれる環境を整えた。IT業界では野村総合研究所(NRI)が、Javaによるシステム開発を支援するフレームワーク「ObjectWorks X」で利用するソフトウエアのSBOMを提供し始めた。 SBO