昨年12月16日、伊達公子は日本テニス協会の役員数名とともに名古屋市役所を訪れていた。同市の河村たかし市長などに宛てて、ある要望書を提出するためだ。 2026年に愛知県で開催されるアジア競技大会でテニス会場となる東山公園テニスセンターのコートサーフェス(材質)に関する要望書だった。同テニスセンターは大会の開催基準に合わせて現在の砂入り人工芝コートからハードコートへ改修されるが、大会終了後にまた元のサーフェスに戻す予定だという。普段の利用者たちにアンケートをとったところ、戻してほしいという意見が多かったためだそうだ。この情報を耳にした協会が出した要望書の内容はつまり、「ハードコートのまま残してほしい」というものだった。 日本の5割を占める「砂入り人工芝コート」 これは伊達が取り組もうとしている『日本のテニス環境の整備』の根幹に関わる事柄でもある。日本のテニスコートの5割を占めるこの砂入り人工