磯田さんは子どものころ、倉敷市にある弥生時代の墳丘墓、楯築遺跡に、岡山の自宅から何度も通っていた。自転車で10㎞の道のりである。雨の後、土器のかけらを探しに来ていたそうだ。そして、小学生のとき、自分の身長くらいの古墳を作ったそうだ。古墳のモデルを作ってみると、どこが崩れやすいかがわかったのだという。 「著者がもっとも感心したのはこの部分」 (今井むつみ『学力喪失』岩波新書、2024) おはようございます。自転車で10㎞の道のりと聞くと、高校生だったときの登下校を思い出します。小平の自宅から高校まで片道約9㎞。時間にして30分以上。遠かったなぁ。だから実感と共感をもってわかります。換言すると、人工知能や認知科学の領域でいうところの「記号接地」ができているからわかります。10㎞の道のりを自転車で《何度も通っていた》というその小学生は、おそらく、 ただ者ではない。 www.countryteac