あらすじ日本橋で代々縫箔屋を営む田毎の家は、田毎が4代目に当たる。 先代が残してくれたビルのおかげで、仕事は多く入らなくても何とか暮らせている。 行きつけの店に出向くと、女将から他所の女と宿に泊まったでしょう、と言われ、仕事相手からは池袋のデパートで名前を呼び出されていた、と言われる。 誰かが自分の名を使っている? 首をひねる田毎は、あるパーティーで自分の名刺を数枚渡したことを思い出す。 知らぬところで自分の名前が使われる謎戦後ミシンが登場し、田毎のような手仕事の職人たちは大きな打撃を受けました。 早くて緻密な作業が得意なミシンが普及した結果、職人たちの間で仕事の奪い合いや値崩れが発生。 負担はあっても腕のいい者に、という考えを持つ者は皆無に等しい状態です。 そんな中、田毎が所属する組合のメンバーの叙勲パーティーが都内で開かれ田毎も参加しました。 そこでかつての恋人、鶴子と数十年ぶりに再会