「MSJ」というよりも、2019年まで使われていた名称「MRJ(三菱リージョナルジェット)」のほうが、なじみ深いかもしれない。 2008年3月、三菱重工が子会社「三菱航空機」を設立し、ジェット旅客機「MRJ」の開発着手を発表すると、「『YS11』以来、50年ぶりに日本が丸ごと旅客機を造る」と、注目を集めた。 「YS11」は通産省(現・経産省)の主導で国内企業を結集して始まり、1962年に初飛行。2006年に旅客機として最後のフライトを終え、国内定期路線から引退。空港に並ぶ旅客機は海外製ばかりになっていた。 設計変更、検査体制の不備で費用はどんどん膨らみ… それ以来の日の丸旅客機計画。当初の予定は、「国が500億円、三菱重工が1500億円を投じて旅客機を開発し、2013年に航空会社へ初号機を納入する」というものだった。 三菱重工は、このサイズの旅客機は、20年間で5000機以上の国際的需要が