米南部テキサス州で1日未明、妊娠6週目以降の人工妊娠中絶を禁じる州法が施行された。米国で最も厳しい規制となり、大きな波紋を広げている。バイデン大統領は同日、「憲法上の権利をあからさまに侵害するものだ」と批判した。 州法は胎児の心拍が確認された後の中絶を禁じ、強姦(ごうかん)や近親相姦(そうかん)による妊娠についても例外ではない。さらに、「違反」の手助けをする医療機関や支援者について、全く関係のない市民が訴訟を起こす権利も認め、最低1万ドル(110万円)の「報奨金」を与える仕組みまで設けた。 米自由人権協会(ACLU)のテキサス支部によると、同州で中絶を受ける女性の85~90%が妊娠6週目以降だという。また、中絶の権利を支持するガットマッチャー研究所の調査によると、今回の法施行により、中絶を希望する州民が車を運転しなければならない平均距離はこれまでの20倍の片道400キロになるという。 米国