生まれながらに重度の聴覚障害がある牧野友香子さん(31歳)。幼い頃からの訓練で巧みな口話を身につけ、学校でも仕事でも充実した日々を送ってきた(インタビュー前編を読む)。 22歳で知り合った男性と1年後に結婚、さらに24歳で思いがけず妊娠が発覚。トントン拍子にも思えるが、彼女自身の人生設計とは異なっていたその妊娠が、彼女の人生を大きく変えていくことになる。 妊娠8カ月「胎児の手足が短いのでは」 重度の難聴である自分に子育てができるとは思えないと、妊娠を望んでいなかったユカコさん。だが予定外の妊娠に気づいたのはなんと5カ月目のこと。授かった以上産むつもりではあったが、生まれてくる子にも障害があるのではないかという不安が心をよぎった。 「これまでの人生で、聴覚障害以外であっても障害を持つ人と接する機会もあったので、いつ何があるかは誰にもわからないなという気持ちが根底にあります。障害がある確率がい