次期首相の模索が進む中、日銀はどこに向かうか。日銀ウオッチャーたちの視点から展望した。 (構成=編集部) ── 安倍晋三首相の自民党総裁としての任期は残り1年余り。「ポスト安倍」を巡る動きが活発化してきた。首相が辞めると、日銀の黒田東彦総裁も辞めるか? ■ジャーナリストA 辞めるのではないか。黒田総裁は2018年4月に再任したが、2期目はそもそもやりたくなかったはず。政治側がサポートしてくれる、という前提でやってきたから、その前提が崩れれば途中退任はあり得る。 ■元日銀幹部A 誰が次の首相になるか次第だが基本的には、黒田総裁は23年4月までの任期を全うするだろう。首相交代で辞めたらさすがに「中央銀行の独立性」の体裁を保てなくなる。 ■ジャーナリストB 続投以外、考えにくい。もし黒田総裁も交代となると、2%物価目標の旗を降ろして大規模緩和の修正が始まるという思惑が市場に働き、円高が急激に進む