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岩波文庫の検索結果1 - 4 件 / 4件

  • 名作「土佐源氏」実は創作だった? 性遍歴赤裸々に描く原作も存在 | 毎日新聞

    山本槌造の家は茶や谷の川にかかる竜王橋のたもとに今も建つ=高知県檮原町で2024年7月21日、井上英介撮影 井上英介の喫水線 土佐湾を望む高知県須崎市から上り坂が続く。目指すは同県檮原(ゆすはら)町。四国山地で愛媛県と接する。車は非力な軽のポンコツで、エンジンが焼けそうだ。 目的地の「茶や谷」(同町四万川(しまがわ)区)は高知県でも有数の標高が高い集落だ。坂本龍馬は1862年に土佐を脱藩する際、茶や谷から韮(にら)ケ峠を越え伊予へ抜けた。その約80年後の1941年、33歳の壮年が脱藩ルートを逆にたどり、峠から茶や谷へ下りてきた。柳田国男らと並ぶ民俗学の巨星、宮本常一(つねいち)だ。日本じゅうを旅し、地域の古老たちに話を聞いて膨大な記録を残した。彼は茶や谷で一人の老人から生い立ちを聞き取り、戦後に公表した。宮本の代表作「土佐源氏」である(岩波文庫「忘れられた日本人」所収)。 老人は盲目で橋の

      名作「土佐源氏」実は創作だった? 性遍歴赤裸々に描く原作も存在 | 毎日新聞
    • 重力って何だろう?【後編】

      「重力」はごく身近な力のひとつです。われわれ人間は地球上をふわふわ浮いているわけではなく、重力によって地上につなぎ止められていますし、どれほど高くジャンプしてもすぐに着地します。テーブルが大きく傾けば、その上に置いてあるものは床に向かってなだれ落ちます。 こうした現象はわれわれにとって“自然”なことであるため、ふだんから重力の存在を意識する人はあまりいません。しかし、重力は宇宙を形作る上で本質的に重要な役割を果たしてきました。重力が存在しなければ、太陽や地球はもちろん人間も誕生せず、「重力とは何か」などと頭を悩ませる者も存在しなかったはずです。 では、重力とはいったいどんな力で、ほかの力とは何が違うのでしょうか? 重力についての理解は時代によって変遷し、現在では重力の存在そのものに疑問を投げかける研究者もいます。後半となる本稿ではアインシュタインの重力理論から量子重力理論までの現代的な重力

        重力って何だろう?【後編】
      • このごろ読んだ小説 コルタサル、トルストイ、ドストエフスキー - 関内関外日記

        このごろなんか短編小説を読む感じになっているので、いくらか読んだ。夏なので一つ一つを記事にするパワーがない。まとめてメモしておく。 『遊戯の終わり』コルタサル 遊戯の終わり (岩波文庫) 作者:コルタサル 岩波書店 Amazon なにやらガルシア=マルケスの『百年の孤独』が流行っているらしいが、おれは大昔に読んだのでいいや。でも、おれは勝手に南米文学のマジック・リアリズムから大きな影響を受けたと思っているので、またちょっと読んでみるかとコルタサル。 あるホテルで夜な夜な赤ん坊の泣き声が聴こえてくる「いまいましいドア」。あるコンサートでの狂乱を描く「バッカスの巫女たち」。そして、生きている人間が自分の生まれ変わりを見つける「黄色い花」。自分と水槽の中の山椒魚の境界が崩れていく「山椒魚」。 おれは「黄色い花」がよくて、自分の生まれ変わりを見つけたと主張する男が、これにより人間の不死を説くところ

          このごろ読んだ小説 コルタサル、トルストイ、ドストエフスキー - 関内関外日記
        • 『吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実』薮本勝治|ib_pata

          『吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実』薮本勝治、中公新書 著者が高校教師、しかも国語を教えているということに驚きました。 しかし、だからこそ、日本中世史研究から自由な立場を維持でき、原始『平家物語』などの資料の想定から、『吾妻鏡』は編年体という正史的な装いの中で軍記物的叙述を加えることによって、頼朝〜泰時〜時頼という正当性を印象付けた物語なのだという主張は本当に目からウロコ。 『吾妻鏡』と『平家物語』は類書にない共通の虚構や構造を持ち(以仁王の令旨など)、独特の表現も共有しており、成立年代から考えて、『吾妻鏡』は原始『平家物語』を底本にして書かれている可能性がある、と。 これって新約聖書のうちマタイとルカがQ資料とマルコを元に書いたという説に並行しているというか、こういう編集史的な視点は今後の資料批判で、どんどん進めてもらいたいと思うんですが、どうなんでしょうかね。 北条時政を平直方の子孫とす

            『吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実』薮本勝治|ib_pata
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