並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 34 件 / 34件

新着順 人気順

岸見一郎の検索結果1 - 34 件 / 34件

  • #105 何かを上達させたいなら他人と比較せず、失敗を恐れないことです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

    運動、外国語、料理など、どの分野においても、人並みレベルになるまでに時間がかかるという人がいます。たしかに達成が困難なことはあります。そのため、着手してもすぐにできなかったり学べなかったりすると、自分にはできないと思ったり、そもそもやる前から断念したりする自分に嫌気がさしたりすることがあります。 アドラーは詩人ウェルギリウスの「できると思うがゆえにできる」という言葉を引用しています(『子どもの教育』)。「できると思ったらできるのであれば苦労はない」といいたくなるかもしれません。アドラーは「誰でも何でも成し遂げることができる」ともいっています(『個人心理学講義』)。 このような主張をしたアドラーは批判されましたが、彼の主張の核心は、初めからできないと思ってしまうと、それが生涯にわたる固定観念になり、そのような思い込みをなくせば達成は可能であるということでした。「何でも」は言いすぎかもしれませ

      #105 何かを上達させたいなら他人と比較せず、失敗を恐れないことです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
    • 何でも賛成したり意見をいわなかったりする人は「優しい人」ではありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

      【今回のお悩み】 「本当の意味で『優しい人』とは、どんな人なのでしょうか?」 自分に有害な影響を与える人と一緒にいたいと思う人はいないでしょう。また、自分がそんな人間になりたいとも考えないはずです。では、「優しい人」ならどんな行動をするのでしょうか? どんな意見でも受け入れてくれる人? 相手が必要なことを何でもやってくれる人? アドラー心理学に詳しい岸見一郎先生に訊いてみました。 優しい人は何事も自分で決めようとはしません。自分が決めたらその決断には責任が伴うからです。たとえば、一緒に食事をしようということになったときに、何を食べるかを自分で決めずに、必ず一緒に食事をする相手に何が食べたいか尋ねる人がいます。そのような人は、「優しい人」と思われるでしょう。 相手の意見を聞かないで決める人がいれば、そのような人をリーダーシップがあって頼りがいがあると思う人がいるかもしれませんが、二人の関係が

        何でも賛成したり意見をいわなかったりする人は「優しい人」ではありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
      • マウントを取ってくる人は自信がない弱い人なので、恐れるに足りません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

        【今回のお悩み】 「マウントを取ってくるママ友との付き合い方を教えてください」 職場や習い事の場、クラスメイトなど、どこにでも自分の自慢ばかりしてくる「うざい人」はいます。そうした人と、積極的に関わりを持とは思わないでしょう。けれど、それがママ友で関わらざるをえない相手だったら……? 『嫌われる勇気』でお馴染みの岸見一郎先生に聞いてみました。 マウントを取ってくる人は、なぜそうするのかということを最初に考えてみなければなりません。自分が他人よりも優位にあることを自慢する人はいます。そのような人は、「等身大以上の目標の大きな目標を設定し、他の人以上であろうとする」とアドラーは指摘しています(『性格の心理学』)。 そのような人は自分が不完全である、あるいは他人より劣っていると感じている、つまり劣等感があるので、その状態から脱しようとしているのです。これをアドラーは「優越性の追求」といっているの

          マウントを取ってくる人は自信がない弱い人なので、恐れるに足りません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
        • #99「趣味とは、結果を出すものでなく理由もない。けれど、生き方は変わります」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

          【今回のお悩み】 「趣味がほしくていろいろ試していますが、好きになれるものがありません」 誰から強制されることもない「趣味」は、好きになろうと意気込んだところで夢中になれるものでもありません。どうしたら、趣味が見つかるのでしょうか。 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 何か趣味を始めるのに特別な理由は必要ありません。しかし日常に変化をつけたいと思ったとき、仕事を変えることはできなくても、仕事以外の時間に夢中になれる趣味があれば生活は変わります。 どんなことでも趣味にすることはできますが、「趣味」というためにはいくつか条件があります。 まず、役に立つ、立たないという発想から抜け出すことです。趣味がなくても生きていけますし、趣味を見つけなければならないというものでもありません。 次に、何か結果を出さないといけないという発想から抜け出すことです。専門家といわれるくらい究めると面白くなるのはた

            #99「趣味とは、結果を出すものでなく理由もない。けれど、生き方は変わります」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
          • #116 経済的に苦しいと思うなら、お金に無関心でいることです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

            【今回のお悩み】 「経済的に苦しい状態から脱出できず、辛いです」 止まらないインフレ、それに伴う値上げ、それなのに変わらない給料──お金に余裕を持って暮らしたい、たまにはちょっとした贅沢をしたい、将来のために貯金したい、それなのに稼いださきから出ていくという現実。 経済的なゆとりがないと、精神的にもぎすぎすしてしまうこともあるでしょう。そんな状況を、どうしたら改善できるのでしょうか。哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 経済的に苦しい状況はできないことが多くあります。いいこともあるとしても、そのできないことに目をつぶることはできません。 一生懸命働いているのに、経済的に報われないということがあれば、それは政治の問題です。自己責任であるとか、どんな状況でも耐えるべきだと説くような考え方は、為政者の失策から目を逸らせることになり、為政者にとっては都合のいいことです。 私はかつて心筋梗塞で入院

              #116 経済的に苦しいと思うなら、お金に無関心でいることです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
            • 【書評】嫌われる勇気 幸せになる勇気 岸見一郎 古賀史健  ダイヤモンド社 - 京都のリーマンメモリーズ

              皆さん、「嫌われる勇気」をもう読まれましたでしょうか? 本の題名にインパクトがありますので、題名やこの本の表紙をご覧になったことのある方は多いと思います。 この本が出版された時は、内容の良さにその題名のインパクトも手伝って、大変売れました。 そして未だにこの本は売れ続けています。 この本、気になっていませんでしたか? 気になってるでしょ。(笑) そこで、今更感はありますが、大人気「嫌われる勇気」を紹介したいと思います。 せっかくなので、その続編の「幸せになる勇気」も一緒に紹介します。 なんと2冊一緒に紹介! これを日本の伝統的ことわざで言うなら、「1粒で2度美味しい。」 そうです。 今回は、アーモンドグリコのように、2つの味が楽しめます。(笑) 【1.「嫌われる勇気」の紹介】 【2.「嫌われる勇気」のポイント」】 【3.「嫌われる勇気」の感想】 【4.「幸せになる勇気」の紹介】 【5.「幸

                【書評】嫌われる勇気 幸せになる勇気 岸見一郎 古賀史健  ダイヤモンド社 - 京都のリーマンメモリーズ
              • #72 仕事で「行き詰まった」と感じるのは、仕事を投げ出すためです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                【今回のお悩み】 「仕事で行き詰まっています。どうしたらいいですか?」 仕事でうまくいかない、思うような結果がでない──そんなフラストレーションに苦しんだ経験は、誰にでもあるはずです。そうした時期を、どうやって乗り切ればいいのか。 哲学者の岸見一郎先生にアドバイスしてもらいます。 仕事をしていて行き詰まった経験をしたことがない人はいないのではないかと思いますが、「必ず」行き詰まるかといえばそうではありません。 「仕事」の始めと終わりを自分で決めることができるのであれば、行き詰まることはないでしょう。たとえば本を読む場合、面白くなければ、ただ本を閉じればいいのです。しかし、その本を読んでレポートを書かないといけないのであれば、面白くないからといって途中で投げ出すわけにはいきません。 また、その仕事も嫌になればやめられたらいいのですが、何か縛りや強制があって、仕事をやめるという選択肢が事実上な

                  #72 仕事で「行き詰まった」と感じるのは、仕事を投げ出すためです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                • #117 過去に下した決断が正しかったどうかを考えても、意味がありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                  【今回のお悩み】 「50代独身です。やりがいのある仕事もあり友達もいるので日々の生活を楽しんではいますが、将来のことを考えると、ふとこれでよかったのだろうかと思ってしまいます」 今が不幸というわけではないけれど、人と同じような道を歩んでこなかったことに一抹の不安を覚える。もちろん、これから方向性を変えることだってできるけれど、20代のときのように「まだまだ若いから、人生これからどうにでもなる」というのとは違う。この腑に落ちない感情を、どう対処したらいいのでしょう。哲学者の岸見一郎先生に相談しました。 来し方を思って後悔しない人はいないでしょうし、行く末を思って不安にならない人もいないでしょう。 今振り返れば、「あのとき別の決断ができた」と思うことは多々あるかもしれません。しかも、別の決断をしていればただ人生は現在とは違ったものになっていたであろうというだけでなく、もっと幸福な人生を生きられ

                    #117 過去に下した決断が正しかったどうかを考えても、意味がありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                  • #78 50代からも、変わらず楽しい人生を送ることはできます | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                    今回のお悩み 「どうしたら、50代以降を今まで以上に楽しく生きられますか?」 人間の寿命は延びるのは嬉しいことであるけれど、だからこそ長い将来のことが不安になってくる。 20代を謳歌しすぎて、年を重ねた今、自分にはお金も家族もキャリアもないことに気がついた──そんな風にならないために、今から何ができるでしょう? アドラー心理学に詳しい岸見一郎先生に聞いてみました。 今までの人生を楽しく生きてきた人であれば、50代になっても何ら変わりはなく楽しく生きることができます。ただし、どう生きることが「楽しく生きる」ことなのかは考えてみなければなりません。 年を重ねても、若い人が漠然と想像しているような大きな変化が起きるわけではありません。50代であれば、「若い者には負けない」などという人はいないでしょう。このようなことをいう人は、すでに自分が若くはないことを自覚しているのです。 それでも、若いときと

                      #78 50代からも、変わらず楽しい人生を送ることはできます | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                    • 相手の意見に賛成できなくても、極力理解するように努めることです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                      【今回のお悩み】 「どうしたら衝突せずに自分と考えの異なる人の意見を尊重し、受け入れることができますか」 他人と自分の意見は常に同じではない、ということはわかっていても、仕事や家族、恋愛関係で意見が食い違って揉め事に発展することはあるでしょう。こうした些細なことで、いちいち喧嘩に発展させないためのアドバイスを、哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 自分と考えがまったく同じ人はいないでしょう。同じような考えの人ならいるでしょうが、よく話を聞くと違うところがあったり、しかもそのちょっとした違いのために、相手の考えを受け入れられなかったりすることもあります。 相手の考えが納得できないのであれば、なぜそう考えるのか説明を求めてもいいと思います。しかし、受け入れないことがわかっている場合、たとえば宗教の勧誘やセールストークであれば、初めから話を聞かないのがおそらく最善の対処法です。 断る理由をいう

                        相手の意見に賛成できなくても、極力理解するように努めることです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                      • #84 パートナーの気持ちが変化したことに、理由はないのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                        【今回のお悩み】 「パートナーから、いきなり距離を置きたいといわれました。どうしたら、その人とよりを戻すことができますか」 自分はうまくいっていると思っていたのに、相手はそうではなかった。いきなり断ち切られた2人の関係に修復の余地はあるのでしょうか。 哲学者の岸見一郎先生に相談してみました。 どんな対人関係も、適度な距離を取るのは難しいものです。とりわけ、愛し合っている2人の距離は概して近すぎます。しかし、近くなければ、愛することはできないというのも本当です。 距離があれば冷静に関われるかもしれませんが、誰かが好きであるというとき、冷静でいることはできません。プラトンは、愛は狂気(マニアー)であるといっています。醒めた愛とか理性的な愛は形容矛盾です。理性的な愛などありえないということです。 しかし、恋愛関係においても適度な距離を取らなければ、関係が行き詰まってしまいます。相手が距離を置きた

                          #84 パートナーの気持ちが変化したことに、理由はないのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                        • #46 好きな人以外どうでもよくなるのは、その関係に本来の「愛」がないからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                          岸見一郎 25歳からの哲学入門 #46 好きな人以外どうでもよくなるのは、その関係に本来の「愛」がないからです 今回のお悩み 「恋愛以外で人間関係に興味が持てません。どうしたらほかの人にも関心を持つことができるでしょうか」 相手が恋愛対象でないと、あまり親交を深めたいと思えない。それが不健全なことだとはわかっていても、その気になれない。 そんな状態になってしまうのは、その「愛の関係」に問題があるからだと岸見一郎先生は指摘します。どうしたらバランスのとれた人間関係を築くことができるのか、アドラー心理学の視点から紐解きます。 こんな相談を世間知に長けた常識家に話すと、「恋愛だけに現(うつつ)を抜かしていてはいけない。友だちも大切だし、仕事も頑張らないといけない」といわれるでしょう。 アドラーは対人関係の課題を仕事、交友、愛の3つにわけており、このうちのどれか一つでも突出してしまうと、人生の調和

                            #46 好きな人以外どうでもよくなるのは、その関係に本来の「愛」がないからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                          • #91「そこそこ」好きなのであれば、その人を「本当に」好きになるのはそれほど難しくありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                            【今回のお悩み】 「そこまで自分が夢中になっていない相手でも、好きになろうと『決心』すれば本当に好きになれるのでしょうか?」 人を好きになるのも、嫌いになるのも、自分が決めていることだと岸見一郎先生は常々説いています。それでは「なんとなくいいかも」と思っている人でも、自分が心を決めさえすれば本気で好きになることができるのでしょうか? 岸見先生に聞いてみました。 誰かを好きになる、あるいは嫌いになるときにはまず決心があって、そのあとその決心を後押しする理由を作り出す。これが原則です。 誰かステキな人に出会ってたちまち恋に落ちると思っている、あるいは、そんな恋愛に憧れているという人にとって、好きになろうと「決心」するのだといわれてもどういうことか少しもわからないでしょう。 なぜ恋愛が決心から始まるといえるのか。相手を好きになった理由が嫌いになった途端に、その人が嫌いな理由になるからです。たとえ

                              #91「そこそこ」好きなのであれば、その人を「本当に」好きになるのはそれほど難しくありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                            • #93「死」を意識するから、今日という日を丁寧に生きられるのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                              【今回のお悩み】 「平穏な日々を過ごすことができて満足しています。でも、この幸せがいつまで続くのかと思うと怖いです」 幸せだからこそ、その幸福を失いたくなくてふと不安になることはないでしょうか? 同じ状態が永遠に続くわけではないとわかっているから、怖くなる。けれど、哲学者の岸見一郎先生はそれを恐れる必要はないといいます。 今平穏な日々を過ごせるのは何よりです。そのことに満足できているのであれば、この幸せがいつまで続くのかを考えて恐れる必要はありません。なぜ恐れる必要がないのか考えてみましょう。 ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスは、子どもとの死別を何度も経験しました。 14人の子どもの多くは夭折し、成人したのは娘5人と息子一人だけでした。そこで、アウレリウスはこんなことをいっています。 「『子どもを失うことがありませんように』という人がいる。お前はいう。『失うことを恐れないように』」(『自

                                #93「死」を意識するから、今日という日を丁寧に生きられるのです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                              • #79 常に新しい工夫をしていれば、「今の仕事には将来性がない」と思い煩う必要はない | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                今回のお悩み 「自分が好きだと思える仕事についています。けれど、将来性がないので今後どうしていくべきなのか悩みます」 テクノロジーが目覚ましい発展を遂げるなか、自分の仕事がいつまで存在するのか、このまま稼いでいくことができるのか、不安になることがあるかもしれません。 哲学者の岸見一郎先生に、そんな将来の悩みを聞いてもらいました。 職場も職種も変わらないとしても、仕事の内実が十年一日まったく変わらないということはありません。仕事の仕方は日に日に変わっているはずです。正確にいえば、変えていっているのです。何も変わらないという人がいれば、仕事に取り組む姿勢にどこか改善の余地があります。 今は仕事でキーボードを打つ人は多いでしょうが、いつまでも上達しない人はいます。速く打てるようになるためには練習するしかありませんが、もっともらしい理由をつけて練習しないのです。 音声入力ができるようになれば、キー

                                  #79 常に新しい工夫をしていれば、「今の仕事には将来性がない」と思い煩う必要はない | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                • #03 「怖い上司はあなたが作り出している」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                  「仕事が遅い」とどなられて、「あれはどうなっているんだ」とつめられて、挙句の果てには「本当に使えないやつだな」と人前でなじられる……。こんな会社に入ったつもりじゃなかった。こんな上司さえいなければ、もっと仕事もやりやすいのに。 こんな経験をしたことがある人は、実は少なくないのでは? “教育”という名のもとに、部下をどなり散らす上司への対処法を、岸見一郎先生に教えてもらいましょう。 今回は次の相談を取り上げながら、働くことについて考えてみましょう。 「私がやることにいちいち嫌みをいったり、どなったりする上司に耐えられません」 嫌みをいったり、どなったりする上司に耐えられる人はいないでしょうが、「なぜ上司がそのような態度を取るのか」また、部下のほうも「そのような上司と接するときになぜ耐えがたいと思うのか」を考えてみなければなりません。 ここでの「なぜ」というのは、目的のことです。 まず、上司に

                                    #03 「怖い上司はあなたが作り出している」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                  • 「気力のスイッチは、切らないと入れることはできません」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                    【今回のお悩み】 「人生に疲れてしまって気力が出ません」 これまで仕事に熱心に取り組んできたのに、突然やる気を失ってしまった。モチベーションを保てなくなってしまったとき、どうしたらいいのでしょうか。哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 仕事がたくさんあって忙しい毎日を送っていると疲れないわけはなく、もう何もしたくなくなることがあります。それでも、「人生」に疲れるのではありません。「仕事」に疲れるのです。 仕事を辞めれば、疲れは取れるでしょう。しかし、仕事を辞めたら生活していけなくなるので、それは現実的な選択肢にはなりませんが、ひとまず立ち止まるしかありません。気力のスイッチは、切らないと入れることはできません。 「疲れて気力が出ない、どうしたらいいか」と相談したら、誰もが仕事を休んだらいいと助言するでしょう。そんなことはいわれるまでもなく、わかっていると感じるかもしれません。何のためらい

                                      「気力のスイッチは、切らないと入れることはできません」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                    • 【岸見一郎先生の話】ツラい現実。可能性の中に生きるのをやめて今を着実に生きる

                                      人間・・・ あ、モン吉くんの場合はサルなんですけど・・・ なにか新しいことを始めようとすると恐怖が芽生えるものです。 そして、だいたいの場合。 それは恐怖として認識されていない場合が多いです。 今回のモン吉くんのケースでいえば。 モン吉くんは本当は新しいやり方を実践するのを恐れているんです。 だけど、恐怖を受け入れまいとして必死に抵抗しています。 あなたはどうですか? 新しい何かを始めようとして、抵抗を感じたこと、ないですか? これは○○だからできない。 という理由をつけたことないですか? 例えば、新しい何かを買おうとして。 例えばそれがアフィリエイトの新しいツールだったとして。 それを買うかどうか悩んだときに。 「今はお金がないからやめておくか。」 という選択。 確かに、本当にお金がないというのも事実なのかもしれません。 だけど、それはもしかしたら。 「やらない選択」というのが先に来てい

                                        【岸見一郎先生の話】ツラい現実。可能性の中に生きるのをやめて今を着実に生きる
                                      • 岸見一郎、リーダーは「嫌われる勇気」を持ってはいけない

                                        『嫌われる勇気』をはじめ、過去に多くの著作を持つ哲学者の岸見一郎氏。初めてリーダーシップを論じた『ほめるのをやめよう ― リーダーシップの誤解』の刊行に合わせて、今どきの中間管理職の悩みや疑問に答えるシリーズの第4回。日経BP・クロスメディア編集部長の山崎良兵が引き続き岸見氏に話を聞いていく。 今回は、「嫌われる勇気」と、リーダーシップの関係。 嫌われる勇気という言葉が一人歩きしたために、一部で誤解が見られると話す岸見氏。リーダーは、嫌われる勇気を持つべきではないという。 リーダーが持つべき勇気とは、不完全な自分を認め、それでも理想に向かって小さな一歩でも歩み続けること。その姿にこそ、部下は敬意を抱くはず。そんな独自のリーダー論を展開する。 (構成/小野田鶴) 岸見 一郎(きしみ・いちろう) 1956年、京都生まれ。哲学者。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。著書に

                                          岸見一郎、リーダーは「嫌われる勇気」を持ってはいけない
                                        • #02 「働く意味」を考えることで、あなたの毎日は幸せになる | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                          アフター5に全力を注ぎ込み、次の週末の予定に頭を巡らせながら1週間をやり過ごす。それでも楽しい休みは一瞬で過ぎ去り、日曜日の夜からだんだん憂鬱になってくる……。 そうやって日々を過ごすこともできるけど、それではあまりにもつらすぎる。この負のサイクルから抜け出すためには、いったいどうしたらいいのか。岸見一郎先生に聞いてみました。 今回は次の相談を取り上げながら、さらに働くことについて考えてみましょう。 「仕事が嫌すぎて、終業後と週末だけが生きがいです。転職するほどのスキルも勇気もありません。これからどうすればよいのでしょうか」 選択肢は三つ この人が何ができるかを考えてみましょう。相談者はこれからどうすればよいのかとたずねているので、現状に満足しているわけではないことはわかります。選択肢は三つです。 一つは、現状に不満なのであれば、転職することです。「転職するほどのスキルも勇気もありません」

                                            #02 「働く意味」を考えることで、あなたの毎日は幸せになる | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                          • 「メンタル強者」は危険? 困難を乗り越えるのに必要なのが、「前向きな精神」ではない理由(岸見 一郎)

                                            人生のあらゆるところにある悩みの種。仕事、人間関係、生き方や老後、恋愛に至るまで、誰もが悩みを抱えて生きている。 哲学者で、アドラー心理学を研究する岸見一郎氏の新刊『泣きたい日の人生相談』は、2016年に始まったクーリエ・ジャポンの人気企画「25歳からの哲学入門」から厳選した30のお悩みに、岸見氏が「哲学」で答える。 本記事では、「精神力」について考える。「メンタルが弱い」のが悩みだ、もっと強くありたい…そんなふうに感じている人は多いのではないだろうか。しかし、「強いメンタル」には思わぬ落とし穴が隠れている可能性があるという。それは一体どういうことか? 【本記事は、『泣きたい日の人生相談』から抜粋・編集してお届けする。】 「強いメンタル」がほしい Q どんな状況でも前向きに乗り越えられる、強いメンタルがほしいです。 これから何が起きるかわからない。そんな先行きが見えない未来に不安を抱えてい

                                              「メンタル強者」は危険? 困難を乗り越えるのに必要なのが、「前向きな精神」ではない理由(岸見 一郎)
                                            • #71「自分が生きたい人生」を生きていないなら意味がありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                              【今回のお悩み】 「仕事が嫌いなわけではありませんが、特別キャリア志向でもありません。そうして気がつけば周りが昇進していたり、いい仕事に転職していたり、収入が上がっていたりして、焦りを感じます。ですが、どう行動を起こしていいかわかりません」 周りの友達は確実なキャリアアップを図っていて、焦りを感じたり羨ましく思ったりしてしまう。だからといって、現状を「どうしても」変えたいというわけでもなくて、もやもやする。そんな場合はどうしたらいいのでしょう? 哲学者の岸見一郎先生に、相談してみました。 若い頃、医院に勤めていたことがあります。毎日、多くの人のカウンセリングをしていました。仕事は嫌いではなく、それどころか貢献感がありました。しかし小さな医院なので昇進することはなく、何年勤めても仕事の内容は変わりませんでした。 やがて、このまま今の仕事を続けていていいのかと思うようになりました。 私は哲学を

                                                #71「自分が生きたい人生」を生きていないなら意味がありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                              • #90 あなたが真剣に恋愛をしたことがないのは、対人関係を避けてきたからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                                【今回のお悩み】 「今まで一度も誰かと真剣な付き合いをしたことがありません。パートナーがほしいです」 これといった“欠点”はないはずなのに、なぜか自分にだけなかなか恋人ができない。一体何がいけないの? 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 「あとはお嫁さんだけ」といっていた人を知っています。今なお封建的な言葉を使う人がいることに驚きましたが、それはおいておくとしても、ほかの「もの」はすべて持っているのに、妻だけを「持っていない」といっているように私には聞こえました。 「結婚を考えている人がいるのだろうね」 「いや、そんな人はいない」 これまで誰とも一度も真剣に付き合ったことがないというのです。誰とも付き合わないで、いきなり結婚することは普通ないと思うのですが、今すぐにでも結婚できると自信満々であることに私は驚かないわけにいきませんでした。 外的な条件が整っていれば結婚できると考えていたの

                                                  #90 あなたが真剣に恋愛をしたことがないのは、対人関係を避けてきたからです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                                • #63「周囲に気を遣わせようとするのは、ただの甘えです」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                                  今回のお悩み 「どうしたら、自分の嫌いな人とストレスにならずに付き合っていくことができますか?」 どう頑張っても、その人を好きになれない。だからといって関係を簡単に断ち切ることができる間柄ではない場合、私たちは一体どんな対策をとることができるでしょう。日々のストレスを少しでも軽くするため、岸見一郎先生に相談してみました。 嫌いな人が好きな人になれば、ストレスなく付き合っていくことができるようになるでしょう。しかし、何もしなければ嫌いな人が好きな人になることはありません。相手のことを嫌いなままでいれば、ストレスを感じることなく付き合うことはできないので、何とかしなければなりません。 どうすればいいか考えてみましょう。 原則的なことをいえば、相手を変えることはできません。変えることができるのは自分だけです。しかし、そう言い切ってしまうと、明らかに相手のほうに問題があるのに、自分が変わらなければ

                                                    #63「周囲に気を遣わせようとするのは、ただの甘えです」 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                                  • 【新刊】 未来を手放す 岸見 一郎の老後に備えない生き方 - 不思議の国のアラモード

                                                    ・未来に対して不安に思っていませんか? あなたは未来についてどのように考えていますか? 〆希望を抱いている 〆不安を抱いている 私は不安の方が多そうに感じます。 そもそも人間は不安に感じやすい生き物。 楽観視している人よりも多いのが人間です。 本書のタイトルは老後に備えない生き方。 年代高めの書籍と思いきや多様性の時代。 多様な価値観を知っておいて損は無いです。 著者である岸見一郎さんの視点が参考になります。 書名:老後に備えない生き方 著者:岸見 一郎 出版社:KADOKAWA 出版年:2020年7月22日 ページ数:304ページ 老後に備えないという言葉。 年金問題などなど未来に対して不安がある時代。 大丈夫なの?って思われる人も多いはずです。 貯金に関しても不安から貯金をしている人も多いんじゃないでしょうか。 老後に備えない生き方とはどういうことか私なりの書評をしていきます。 ・本書

                                                      【新刊】 未来を手放す 岸見 一郎の老後に備えない生き方 - 不思議の国のアラモード
                                                    • 恋人がいても、結婚していても、高収入でも、満ち足りない人のワケ(岸見 一郎)

                                                      『愛するということ』『自由からの逃走』などの著作で知られる社会心理学者エーリッヒ・フロム(1900~1980)。 アドラー心理学の著作で知られる岸見一郎さんは、17歳のときにフロムの本に出会い、大きな影響を受けたそうです。 そんな岸見さんが、「フロムの思想をわかりやすく、『今、読む意義』を明らかにしながら、100ページにまとめてほしい」という依頼を受けて執筆したのが『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』という本です。 この本が出来上がったとき、担当編集者クロサワは、岸見さんにお願いをして、この本の「特別補講」を開いていただきました。 恋人がいる。結婚している。高収入で贅沢な生活をしている。なのに、なぜか満たされない……そんな人は、その理由が岸見さんのお話できっと明らかにされます。 「自立」して生きなさい 岸見 私が書いた『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を

                                                        恋人がいても、結婚していても、高収入でも、満ち足りない人のワケ(岸見 一郎)
                                                      • 岸見一郎「決めるのが怖い」人へ

                                                        『嫌われる勇気』の著者で、哲学者の岸見一郎先生がリーダーのあり方を説く連載の第27回。テーマは決断。失敗を恐れ、二の足を踏んでいたら事態は悪くなる一方。ではどうしたら決断を下せるのか。岸見先生が指南する。 どんなことであれ決断するのは難しいものです。 手を拱(こまぬ)いていては事態がいよいよ悪くなるのが明らかで、即時の決断が必要だとわかっていても、なお自分が決断するのをためらってしまいます。 決断をためらう一番大きな理由は、決断には責任が伴うということです。とりわけ、前例がなければ、こうすれば必ずうまくいくという保証がないと決断できません。

                                                          岸見一郎「決めるのが怖い」人へ
                                                        • 偽りのない本当の生き方とは? 苦しい人生を生き抜くためのヒント(岸見 一郎)

                                                          生きることは絶対的に善である。「自分には価値がない」「生きている意味がない」と思うことは、自分で自分の尊厳を傷つけることであり、あってはならないことである。――と、講談社現代新書『人生は苦である、でも死んではいけない』著者の岸見一郎氏は語ります。 では、自分の人間としての尊厳を守り、苦しい人生を生き抜いていくためには、どうすることが必要なのでしょうか。著者による特別寄稿文です。 人間の尊厳を守るためには 今の時代、あまりに「いのち」が軽んじられている。生きることは絶対的に善である。生きていてはいけない人、犠牲になっていい人などはいない。私が『人生は苦である、でも死んではいけない』でとりわけ伝えたかったのはこのことだ。 他方、自分には何の価値もない、自分が生きていることには意味がないと思う人がいる。そう思うことは、自分で自分の尊厳を脅かすことである。だが誰からも自分の尊厳を脅かされることがあ

                                                            偽りのない本当の生き方とは? 苦しい人生を生き抜くためのヒント(岸見 一郎)
                                                          • 『嫌われる勇気』の著者が送る「苦しい」人生を生き抜くための哲学(岸見 一郎)

                                                            苦しみを受け入れられるか 老い、病、死。人生は苦しみに満ちている。この世界に起こることにはすべて意味があり、人間の目にはどれほど理不尽に見えようと、悲惨な出来事にもすべて意味があるのだという摂理を信じられる人であれば、どのようなことがあっても受け入れることができ、その後の人生を積極的、前向きに生きていく契機にすることができるだろう。 しかし、実際に自分や家族、親しい友人に災難が降りかかれば、やはりとうてい受け入れることはできないのではないだろうか。 成功と挫折 どんなに頑張っても、自分が目下その中にある困難な状況から抜け出せないことがある。そもそも人生には頑張ることさえできないこともあるのだから。 しかし、これも考えようである。挫折も人間の成長には必要だからだ。人は、首尾よくやり遂げただけでは学べない。そのような時は思いのほか、学べない。たまたま失敗しなかっただけかもしれないのだから。 し

                                                              『嫌われる勇気』の著者が送る「苦しい」人生を生き抜くための哲学(岸見 一郎)
                                                            • 【書評】 岸見一郎さん 成功ではなく幸福について語ろう - 不思議の国のアラモード

                                                              ・嫌われる勇気で有名な著者さんの本 嫌われる勇気という書籍。 超ベストセラー。 読んだ人も多いかもしれません。 その著者さんがこちらの人。 岸見一郎さんです。 アドラー心理学のことがわかりやすい。 私も過去に岸見一郎さんの本を何冊か読んでいます。 と言うよりも本書になります。 過去に1度目を通した記憶があります。 そのときに書評はしていませんでした。 改めての再読と今回は書評を兼ねて読んでみました。 書名:成功ではなく、幸福について語ろう 著者:岸見一郎 出版社:幻冬舎 出版年:2018年5月24日 ページ数:270ページ 思い通りにならない毎日を進んでいくための羅針盤。 高校生に語った講義。 これからをどう生きるか完全収録。 内容が気になるところじゃないでしょうか。 本書を紹介していこうと思います。 ・本書の通底するテーマは「幸福」について (P.261) 本書は、講演と人生相談への回答

                                                                【書評】 岸見一郎さん 成功ではなく幸福について語ろう - 不思議の国のアラモード
                                                              • #40 自分が望んだ生活を実現したはずなのに、いつも「今」に満足できません。 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                                                岸見一郎 25歳からの哲学入門 #40 自分が望んだ生活を実現したはずなのに、いつも「今」に満足できません。 今回のお悩み 「いつも自分が持っていないものにばかり目がいってしまい、『今』の生活に満足を覚えることができません」 あれほど夢見た生活のはずなのに、いざ暮らしてみると何かが違う──憧れの職業に就いたはずなのに、友人のほうが輝いてみえる。 望んだものを手に入れてきたはずなのに、ついつい今持っていないものばかりが欲しくなってしまう。そんな満たされない感情は、どうしたら解消できるのか。 岸見一郎先生が、哲学的視点から解説します。 今の生活に満足できないと、何が足りないのか考えます。すると、たちまち足りないものが思いつきます。満たされないのは田舎に暮らしているからだ、きっと都会に住めば心機一転、何もかもうまくいくに違いない──と。 ところがいざ都会に住むと、どこに行っても人が多く、遊びに出

                                                                  #40 自分が望んだ生活を実現したはずなのに、いつも「今」に満足できません。 | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                                                • #76 仕事が嫌でも、その「すべて」をやりたくないわけではないはずです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                                                  今回のお悩み 「やりたくない仕事にどうやって向き合えばいいでしょうか」 希望した会社に入っても、念願の職種に就けたとしても、そのなかで「やりたくない仕事」というのは多かれ少なかれ、誰にでもあるでしょう。憂鬱な気分になってしまうタスクに対して、どうやって折り合いをつけたらいいのか。 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 「やりたくない仕事はしない」というのが一番簡単です。しかし、こんなことをいうと、やりたくない仕事であってもしなければ生活できないという人は多いです。 実際その通りなのですが、最初から身も蓋もない話をしてしまうと、「この仕事はやりたくない」と思ったとき、その「やりたくない」という思いは、少なくとも「積極的にはこの仕事をしないでおこう」と決心するために作り出しているのです。 けれど、そんなふうに「やりたいくない、でも仕事をしないと生きていけない」と思って一日の大半を過ごすのは辛

                                                                    #76 仕事が嫌でも、その「すべて」をやりたくないわけではないはずです | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                                                  • 自信を持つことは、成功体験や失敗とは関係ありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                                                    【今回のお悩み】 「どうしたら自信を取り戻すことができますか?」 自信を失うと怖気付いてしまい、一歩を踏み出すのが難しいことがあります。一度失ってしまった自信を回復するにはどうしたらいいのでしょう。アドラー心理学に詳しい、岸見一郎先生に聞いてみました。 自信があるかと問われて、「ある」と断言できる人は少ないでしょう。もちろん、あらゆることについて自信がないわけではありません。確実にやり遂げられると予想できることであれば、自信があるといえるでしょうが、これまで一度でもうまくいかなかった経験、たとえば、仕事で失敗したとか、好きな人に振られたというような経験をした人であれば、次はうまくいくと自信を持って答えることはできないでしょう。 実際、次はうまくいくと限りません。仕事についていえば、努力すれば必ずよい結果を出せるというものではありません。猛勉強しても、入学試験や入社試験に合格できないことはあ

                                                                      自信を持つことは、成功体験や失敗とは関係ありません | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                                                    • ストレスはなくなりません。「どう受け止めるか」を考えましょう | 岸見一郎 25歳からの哲学入門

                                                                      【今回のお悩み】 「日々のストレスはどうやって対処したらいいですか?」 数えたらきりがないくらい、私たちは仕事や人間関係でさまざまなストレスを抱えています。一体どうしたら、そのイライラを軽減できるのでしょうか? 哲学者の岸見一郎先生に聞いてみました。 嵐の日に、鳥が強い風に押し戻されて飛んでいるのを見たことがあります。私はそれを見て、人も風に抵抗して懸命に羽ばたいて飛ぼうとしている鳥のようだと思いました。 ストレスを引き起こす外からの刺激をストレッサーといいます。人と関われば摩擦が生じ、仕事をすればストレスも伴いますが、生きている限りストレッサーを避けることはできません。ストレッサーは鳥が飛ぶのを阻止しようとする風のようです。ストレスに対処するためには、この風を止めたり弱くしたりする方法を考えるのではなく、それをどう受けとめるのかということを考えなければなりません。 とはいえ、できれば強い

                                                                        ストレスはなくなりません。「どう受け止めるか」を考えましょう | 岸見一郎 25歳からの哲学入門
                                                                      1