新型コロナで緊急事態宣言が出された時、図書館が閉館に入るというので、急遽近傍の図書館に行って何冊か借りたうちの一冊。そろそろ返すことになりそうなので、その前にここにメモをとっておこう。 この本は、2008年のリーマンショックをうけて書かれた幾つかの論考からなっている。時系列的には、序文の「資本主義―その死と来世」が最後に書かれてると思うのだが、ここに資本主義の未来(死と来世)についての著者の考えが集約して述べられている。なので、ここを中心に引用する。 資本主義の死と言っても、シュトレークが描くのは、資本主義の本性によって「社会」が崩壊した後の、暗澹たる未来像である。だから正確には、「資本主義社会(民主制資本主義)の死」と呼ぶべきかと思う。 『現在進行中の最終的危機を経て資本主義に代わるのは、社会主義やその他の明確な社会秩序ではなく、長い空白期間であろう。(中略)空白期間はマクロレベルにおけ