與那覇潤(よなは・じゅん)/評論家。1979年神奈川県生まれ。歴史学者として日本近現代史を専門としてきたが、新型コロナ禍での学会の不見識に失望し、著書『平成史』(文藝春秋)を最後に歴史学者の呼称を放棄。著書に『心を病んだらいけないの?』(斎藤環氏と共著、新潮選書。小林秀雄賞)、『歴史なき時代に』(朝日新書)、『過剰可視化社会』(PHP新書)など/撮影・朝日新聞社 安倍晋三元首相(67)が奈良市で街頭演説中に銃で撃たれ、殺害された。逮捕された山上徹也容疑者(41)は警察の調べに、宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)の名を挙げ、母親が旧統一教会の信者で、多額の寄付をして破産したことから、教団とつながりのある安倍氏を狙ったと供述している。自作の銃で首相経験者を暗殺した今回の事件について、元・歴史学者で評論家の與那覇潤さんは「自助社会の極致を見た」と語る。 【写真】高校時代の山上容疑者