野尻高原大学村は、北信の名山黒姫の雄大な裾野が、ゆるく東に傾斜して野尻湖をつつみ、はるか斑尾山頂に至る広大な高原地帯に位置を占めています。自然に恵まれた森のなかで、心身の静養を図り、思索を楽しむ「別天地」を求めて、大学村は創設され、そして、はや半世紀がたちました。 大学村は、季節によって、その装いを変えていきます。春、こぶしが白い花を咲かしだすと、ほかの木々も一斉に芽をふき始めます。大山サクラ、丁字サクラがそのあと続き、森全体が緑に包まれます。都会では暑さにあえいでいる夏、大学村はひんやりしています。秋には、足元にたくさんのきのこが顔を出します。タマゴダケの真っ赤さには驚いてしまいます。また、丸々と太った山栗が、毎日降るようにおちてきます。そして雪に閉ざされる冬、しかしそのまっ白な雪原の上に、うさぎ、リス、キツネ、たぬき、テンなどの足跡がついています。キツネの親子が4匹、ぴょんぴょんはねる