ある漢字の字音を示すのに別の漢字2字の音をもってする方法。すなわち、上の字の頭子音(声母)と下の字の頭子音を除いた部分(韻母)とを合わせて1音を構成するもの。例えば、「東」の子音は「徳紅切」で「徳」の声母[t]と「紅」の韻母[oŋ]とによって[toŋ]とする類。かえし。 〘 名詞 〙① 漢字の字音を表わすのに、他の漢字二字の音をもってする方法。すなわち、「X、AB切」の形式によって、Xの音はAの声母(頭子音)とBの韻母と声調(全体から頭子音を除いた部分)との組み合わせたものであることを示す。たとえば、「東」の音は「徳紅切」で、「徳」の声母[t]と「紅」の韻母[uŋ]とにより[tuŋ]とする類。→反音。[初出の実例]「臨二沙門神珙玉篇奥所レ烈四声五音図及彼反音鈔等一覚二知之一。一切反切不レ出二此法一」(出典:悉曇私抄(1260))[その他の文献]〔韻鏡‐序〕② 母音音節とその前にある音節の頭