ロシア下院各会派代表との会談で発言するプーチン大統領=モスクワで2022年7月7日、スプートニク通信提供・ロイター 隣国ウクライナへの侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領は、何のために戦っているのか。その世界観や背景を探る連載の第2回は、プーチン氏が西側諸国に抱く強い対抗心を取り上げる。第3回は大統領就任以降、戦争を続けて支持率を上げてきた統治手法を分析する。。 「我々の特別軍事作戦の最初から西側諸国は自分たちが負けていることを理解すべきだった」 プーチン氏は7月7日、露下院各会派代表との会談で、そう訴え、ウクライナ侵攻が「米国流の世界秩序の根本的な崩壊の始まりを意味する」と主張した。 冷戦終結後に形成された米国中心の「一極支配」が崩れ、「多極世界」が到来する――。これはプーチン氏が長年、繰り返し語ってきたテーマだ。イラクやアフガニスタンでの米国の「失敗」を取り上げ、米欧諸国で強まるポピ