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新年度はじまる
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中部電力の浜岡原発(静岡県御前崎市)は、最大でマグニチュード(M)9の地震を起こす震源断層の真上にあり、世界で最も地震で事故が起きる確率が高いとされる原発だ。そのような場所にもかかわらず、中部電力は想定される揺れのデータを捏造して原子力規制委員会の審査をすり抜け、再稼働しようとしていた。 中部電力が3月31日に発表した社内調査の結果 から、捏造の経緯や、社内チェックで見つけられなかった実態が明らかになってきた。 工事の目標値を下回るよう、揺れ想定を捏造 経緯は、以下の通りだ。 中部電力は2013年、浜岡原発の直下にあるプレート境界や、周囲の活断層による地震に耐えられるよう、1200ガルを目標値として対策工事をすると発表した。 ところが2018年以降、原子力規制委員会から、中部電力が2013年当時に考えていたより厳しい条件で地震を想定することを求められた。 規制委の要求に従ってシミュレーショ
トランプ政権がイランへの軍事行動に踏み切ってから2カ月、事態は当初の予測を大きく超えて泥沼の様相を呈している。世界有数の歴史と自負を持つイランに対し、アメリカとイスラエルが仕掛けた「短期決戦」というギャンブルは、今や世界経済を巻き込む巨大なリスクとなった。イラン側の強固な抵抗と、揺らぎ始めたアメリカの覇権、そして水面下で蠢く諜報機関の影──。混迷を極める中東情勢の深層と、日本が直面する現実について、『イランとアメリカ、そしてイスラエル 「ガザ以後」の中東』を上梓した高橋和夫氏に聞いた。(聞き手:池松聡) ──本書の冒頭に、「情勢がシナリオを追い抜いて進行している」という一文がありました 。まさに現在、予測を超えて動いているイラン情勢についてどう分析されていますか? 高橋和夫氏(以下、高橋):はい。ちょうど戦争が始まって1カ月ちょっと過ぎ、2カ月目に入ったところですね。率直に言って、アメリカ
[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領の対イラン大規模攻撃「エピック・フューリー作戦」開始から5週間経ってもなおイランは壊滅とは程遠い軍事力を保持していることが、米CNN(4月3日付)が独自に入手した最新の米国情報評価で分かった。 広大な地下トンネル・ネットワークを持つイラン ミサイル発射台の約半分、自爆型ドローン(無人航空機)も当初備蓄の約半分の数千機規模が残存。ホルムズ海峡を脅かす沿岸防衛巡航ミサイルの相当部分は無傷で、「イランのミサイル、ドローン発射能力は激減し、残りわずか」と喧伝するトランプ氏の見解とは大きく食い違う。 イランは数十年にわたり広大な地下トンネル・ネットワークを構築してきた。米・イスラエル連合軍は1万2300カ所以上の標的を攻撃し、トンネル坑口を穴だらけにした上で復旧用重機を狙い撃ちにしてきた。しかし地下深くに守られた発射台は完全には破壊されていない。 トンネル坑口
今年6年生になった次男が年間予定表を、穴が開きそうなほど見つめながら持ってきた。学校から配られた案内には、修学旅行(6年生)という文言はなかった。安全上の理由から、今年は現場学習と呼ばれる遠足さえもないようだ。 去年まで、修学旅行や遠足は学校生活の当たり前の風景だった。13年前に筆者の長男は1年生だったが、当時は代表の親が先生の分のお弁当まで用意して、2、3人ついていったものだ。 1年生の遠足に親が手伝いに行くのも日本人にはびっくりだが、それが韓国だった。ところが、今では小学校を中心に、その「当たり前」が急速に消えつつある。 ソウル市教育庁によれば、ソウルの小学校605校のうち、1日型の校外体験学習を実施した学校は2023年の598校から2025年には309校へと半減した。修学旅行の実施校も80校から41校へ落ち込んでいる。 中学校や高校でも減少傾向はあるが、小学校での落ち込み方は別格だ。
前回記事で、兵庫県の斎藤元彦知事がテンプレ回答を連発し、質疑が成立しない定例会見の現状を書いた。その一方で斎藤がXやインスタグラム、YouTubeの個人アカウントでの発信に力を入れていることは、よく知られる。マスメディアというフィルターを通さず、自分の「伝えたいメッセージ」だけを一方的に発信し、自身の「見られたいイメージ」を作るセルフブランディングである。 <前回から読む> 【問題発覚から2年】記者を挑発する斎藤元彦知事が「立花」という名前を絶対に口にしない理由 なぜか遠い目をしながらコーヒーを飲む場面が頻出 SNSでは公務の行事や視察、議会報告といった県政情報のほか、公務外で訪れた県内市町の風景、県産品を使った自作料理など親しみやすさを演出する投稿が多く、自撮りか同行者の撮影らしい写真がほぼ毎回付いている。 動画はさらにプライベート寄りで、商店街や観光地での「ぶらり」と称する買い物や食レ
高市早苗首相が代表を務める政党支部「自由民主党奈良県第2選挙区支部」(奈良第2支部)が2024年10月に行われた衆院選の直前、国と契約関係にあるトヨタ販社など3社から寄付を受け取っていたことが明らかになった。これを受け、神戸学院大学の上脇博之教授が2日、高市首相ら寄付を受け取った側、および寄付をした企業の社長ら計4人について、「特定寄付」を禁じた公職選挙法に違反するとして、奈良地検に刑事告発した。 特定寄付とは、国と契約関係にある企業などが国政選挙に関して候補者に寄付を行うことを指す。公選法で禁止されており、違反すると拘禁刑3年以下などの刑事罰を科せられる。候補者個人が受け取らなくても、役員として関わる政党支部が受け取っても同法に違反すると解されている。 【後編】 ◎茂木外相にも告発状、高市政権閣僚に新たな「政治とカネ」問題…国と契約ある企業が選挙目的で寄付の疑い 高市首相が代表の政党支部
給付付き税額控除制度の話題が盛り上がった例としては、2008年のリーマン・ショック(世界金融危機)を契機とした緊急経済対策としての定額給付金の議論がある。定額給付金の趣旨に関しては異論なかったものの、なぜ富裕層にまで給付するのか、なぜ事務経費が約850億円もかかるのかが問題となった。 この時、諸外国では「所得制限付きで税額控除し、控除しきれない分は給付する」という迅速かつ効率的に国民を救済できる仕組み(給付付き税額控除制度)があり、日本も導入すべきとの議論が盛り上がった。そして、この制度構築の前提となる番号制度の導入が主張され、マイナンバー制度の実現を後押しすることとなった。 そして民主党が2009年8月の衆院選で圧勝して政権交代を実現し、マニフェストで掲げていた共通番号制度の実現に向けてマイナンバーの制度設計を進めていった。当然、マイナンバー活用による給付付き税額控除制度の導入を計画して
「ちょうかい」改装と中国大使館侵入事件 同日午前9時頃、陸上自衛隊えびの駐屯地(宮崎県えびの市)に勤務する村田晃大3等陸尉(23歳)が、東京の中国大使館に刃物を持って侵入し、大使館関係者に身柄を確保された。その後、警視庁に身柄を引き渡され、建造物侵入容疑で逮捕された。 村田容疑者は容疑を認め、「中国大使に強硬発言を控えるよう直訴し、聞き入れられなければ自決するつもりだった」と供述しているという。
ところが、2月28日に開始された米国・イスラエルの連合軍(以下連合軍)によるイランへの攻撃、特に空中からの攻撃は、ロシアの航空攻撃・ミサイル攻撃をはるかに超える。 戦闘開始から今までにイラン空軍の攻撃を受け撃墜された連合軍機はない(友軍誤射を除く)。 今回の戦いは、一方的に破壊するステルス立体攻撃戦であり、今まで見たことがない現代戦を超える現代戦、つまり「超現代戦」と表現したい。 これまで、イラン軍は精鋭で恐れられていた。 だが、連合軍はイラン最高指導者ハメネイ氏などイランの指導者たちの居場所をリアルタイムで掴み、ステルス機で接近し、ピンポイントに数十発のミサイルを同時に撃ち込み完全に破壊して殺害した。 また、活動中あるいは地下に保管されているミサイル・自爆型無人機・防空兵器、ペルシャ湾・カスピ海に面する海軍艦艇をことごとく破壊しているのである。 一方、イランの防空兵器は連合軍のステルス機
兵庫県を揺るがした斎藤元彦知事に対する告発文書の発覚から3月27日で2年になる。出直し選で再選されたものの、県政の混乱はいまだ収まっていない。第三者委員会が指摘した公益通報者保護法違反や情報漏洩の指示、また逮捕・起訴された立花孝志被告との「二馬力選挙」についても斎藤知事が一切認めず、毎週の知事定例会見は記者との質疑がまともに成立しない。何を聞いても「真摯に受け止める」「個人的な見解として承る」などと繰り返す前代未聞の「反マスコミ」戦略はどこまで続くのか。(文中敬称略) ジョージ・オーウェルの『1984』化する知事定例会見 「知事に要望します。『よくわからない』との発言で質疑応答を終わらせようとするのではなく、質問の主旨を的確に汲み取り、回答していただくようにお願いします」 3月24日の兵庫県知事定例記者会見は、記者クラブ幹事社による斎藤元彦への申し入れから始まった。前回会見でフリーランス記
(小林 啓倫:経営コンサルタント) 2026年3月、米Meta(旧Facebook)の社内で、重大なセキュリティインシデントが発生した。機密性の高い社内データが、本来ならそれに対するアクセス権を持たない社員も閲覧可能な状態に、約2時間にわたって置かれていたのである。原因は人間の犯罪者によるハッキングでも、サイバー攻撃でもない。社内で業務支援ツールとして導入・運用していたAIエージェントの「暴走」だった。 外部へのデータ流出こそ確認されなかったものの、Metaはこのインシデントを、社内セキュリティ指標において上から2番目に高い深刻度に当たる「Sev 1(セブ・ワン)」に分類した。これはMeta社内で「最高クラスの緊急事態」に相当する分類であり、その深刻さがうかがえる。 この事件について第一報を報じた米メディアThe Informationが、内部のインシデントレポートを入手したことで事件の全
(井上 久男:ジャーナリスト) 粉飾決算と指摘されても仕方ない会計不正の発覚により、創業以来50余年にわたってニデックの経営を牽引してきた永守重信氏(2025年12月19日付で代表取締役グローバルグループ代表を辞任、26年2月26日付で名誉会長を辞任)と同社はいま絶体絶命のピンチに立たされているように、筆者の眼には映る。 会計不正を調べてきた第三者委員会も「永守氏は一部の会計不正を容認したとの評価は免れない」などと断じ、はっきりと創業経営者の責任について触れている。永守氏だけに限らず、会計不正に関与したと見られる、創業以来の側近だった小部博志会長や、大手銀行出身の北尾宜久副社長、最高財務責任者(CFO)の佐村彰宣常務執行役員らが3月3日付で事実上の引責辞任に追い込まれた。 ニデックの次の展開、4つのポイント ニデックは3月13日、会計不正に関与した役員らの法的責任を調査、検討する「責任調査
(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト) イランの封鎖で約11%の石油供給が縮小 2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始してから約1カ月が経つ。ニュース次第で短期間で収束するとの見方が台頭したり、長期化するとの懸念が強まったりと、一喜一憂の状況が続いている。当初は短期間で収束するとの見方が多かったが、長期化する可能性が取り沙汰されている。とりわけ、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖。双方が油田や天然ガス田、関連施設を攻撃対象としたことで、世界的にエネルギー供給が不足するとの懸念が高まっており、原油価格や天然ガス価格の高騰をもたらしている。 ホルムズ海峡はペルシャ湾の出口に当たり、世界で供給される石油やLNGの約2割が通過する、エネルギー供給の要衝(チョークポイント)である。イランはペルシャ湾を物理的に封鎖していないものの、通行する一部の船舶を攻撃したことで、多
衆議院で3分の2議席を獲得し、安倍晋三政権を超える「一強」と見られている高市早苗政権だが、その実態は脆い。高市首相のペースで進む国会運営についても自民党内の半分以上は是としているわけではなく、面従腹背ともいえる。「日刊ゲンダイ」第一編集局長の小塚かおる氏がレポートする。 対米隷属の「媚態外交」か? トランプ大統領が絶賛した高市政権の危うい独走 アメリカとイスラエルが始めたイラン戦争の渦中に行われた3月19日の日米首脳会談が終わった。 高市首相とトランプ大統領との会談は友好ムードで、懸念されたホルムズ海峡への艦船派遣を要請されなかったことから、首相官邸周辺は「訪米は成功」とアピールする。だが、その代わりにトランプ大統領の「日本は踏み込んだ対応を考えている」という発言が何を意味するのかは表に出ていない。
かつて「人道大国」を標榜し、移民受け入れに寛容な国として国際社会から称賛されてきたスウェーデンがいま、自らが掲げた「統合(インテグレーション)」の理想を自ら破壊するという矛盾に直面している。 スウェーデンに何年も居住し、教育を受け、就労・納税し、労働力として不可欠な存在となった若者たちが、移民政策を厳格化する「法改正」をきっかけに国外追放の対象となっているのだ。「成人」となった若者を、「居住資格なし」として突然家族から引き離して強制的に送還する措置に対して、多くの批判と激しい議論を呼んでいる。 積極的に「移民政策の厳格化」「移民排斥」を推進してきた右派スウェーデン民主党(SD)の支持者からですら、「やり過ぎ」との激しい批判が噴出している。 これはもはや、異常事態だ。 失われた「安全弁」 スウェーデン社会に衝撃を与える事態を招いたきっかけは2025年4月1日に施行された法改正だ。 これまでは
◎日本成長戦略会議「戦略17分野における『主要な製品・技術等』」(第3回資料) 政府が定める戦略分野は、AI・半導体、デジタル・サイバーセキュリティ、情報通信、量子、防衛産業、航空・宇宙、海洋、造船、マテリアル、合成生物学・バイオ、創薬・先端医療、資源・エネルギー安全保障・GX、フュージョンエネルギー、フードテック、防災・国土強靭化、港湾ロジスティクス、そしてコンテンツという17領域に及ぶ。 各分野において、経済安全保障等のリスク低減の必要性、海外市場の獲得可能性、技術の革新性等の観点から、官民投資を優先的に支援することが必要と考えられる製品や技術等を選定し、官民投資ロードマップを策定するといった方向性が示されている。 前掲日本成長戦略会議資料によれば、各分野が持つ経済的インパクトは非常に大きい。例えば、AIロボット市場は2040年に約60兆円へと拡大すると見込まれ、情報通信分野のオール光
(小林 啓倫:経営コンサルタント) FaceAppやSNOWといったスマホアプリに搭載されていた「フェイススワップ」機能を使って、友達と顔を交換して笑い合う。日本でも大流行したこの機能は、多くの人々にとって、未来的だが無邪気な遊びだった。だが、このリアルタイム顔交換と同じ原理の技術が、いま国際詐欺の最前線で武器として使われている。しかも、それに関わる「人材」がTelegramで公然と募集されているという。 「語学力必須」「写真送付あり」「1日100回のビデオ通話」などなど──。一見するとインフルエンサーやライブコマースの求人に見えるこれらの書き込みは、「AIフェイスモデル」と呼ばれる役割の募集要項だ。 それは普通の職業ではなく、詐欺師たちに協力して、犯罪行為の一部を担うというもの。米WIRED誌が2026年3月に公開した調査報道は、AI時代の詐欺が生み出した、異様な労働市場の実態を明らかに
(鵜飼秀徳:僧侶・ジャーナリスト) 全国の寺院では、およそ4割で後継者が定まらないなど仏教界は深刻な後継者難にある。これまで僧侶の育成を担ってきたのは仏教宗派が母体となった宗門大学だが、多くが定員割れという危機に瀕している。古くから宗教エリートを生み出してきた異色の教育機関が過渡期にある中、生き残りをかけて新学部設立を打ち出す大学も現れている。宗門大学は時代遅れか、それとも新たな価値を生み出せるのか──。 わが国における仏教教育の歴史は、平安時代初期(828年)に空海が開いた綜藝種智院(現在の種智院大学)にまで遡る。種智院大学は、前身機関を含めれば日本最古の大学だ。つまり、わが国の教育の原点を辿れば、仏教に行き着く。 室町後期から江戸時代にかけて、各宗派は自主的に「学林」「檀林」などと呼ばれる僧侶養成機関を整備し、宗内の人材育成を担うようになった。この学林・檀林が、明治・大正期の近代化と組
3月9日、イラン国営放送は、新たな最高指導者に故ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ師が選出されたことを発表した。モジタバ師はどういった国内の政治力学で国のトップとなったのか。イランには法的に明記された表の権力機構の上位に、非公開の裏の権力構造がある。それは極めて強固なシステムであり、イスラム共和国体制の強靭さの源泉でもある。 イランの抵抗を支える知られざる裏権力を、軍事ジャーナリストで新領域安全保障研究所リサーチフェローの黒井文太郎氏が3回にわたって明らかにする。(後編) (黒井 文太郎:軍事ジャーナリスト/新領域安全保障研究所リサーチフェロー) イランの政治権力は、外部からはうかがい知れない闇がある。表向きは大統領とその政府があるが、彼らに実権がないのは明らかだ。実際には最高指導者がイランの全権力を独占している。大統領も政府も軍も全てが、最高指導者の命令に完全に従う。 その最高指導者の意
3月9日、イラン国営放送は、新たな最高指導者に故ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ師が選出されたことを発表した。モジタバ師はどういった国内の政治力学で国のトップとなったのか。イランには法的に明記された表の権力機構の上位に、非公開の裏の権力構造がある。それは極めて強固なシステムであり、イスラム共和国体制の強靭さの源泉でもある。 イランの抵抗を支える知られざる裏権力を、軍事ジャーナリストで新領域安全保障研究所リサーチフェローの黒井文太郎氏が3回にわたって明らかにする。(中編) ◎前編はこちら (黒井 文太郎:軍事ジャーナリスト/新領域安全保障研究所リサーチフェロー) イランには表の権力機構と裏の権力機構がある。表の統治機構は法律で明記されているが、実際にはそれよりも、36年半にも及ぶハメネイ体制下で強化されてきたハメネイ側近機構の権限が上位にある。 今回、ハメネイ死亡後の表の統治機構は、死亡翌
3月9日、イラン国営放送は、新たな最高指導者に故ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ師が選出されたことを発表した。モジタバ師はどういった国内の政治力学で国のトップとなったのか。イランには法的に明記された表の権力機構の上位に、非公開の裏の権力構造がある。それは極めて強固なシステムであり、イスラム共和国体制の強靭さの源泉でもある。 イランの抵抗を支える知られざる裏権力を、軍事ジャーナリストで新領域安全保障研究所リサーチフェローの黒井文太郎氏が3回にわたって明らかにする。(前編) (黒井 文太郎:軍事ジャーナリスト/新領域安全保障研究所リサーチフェロー) 2月28日にイスラエル軍と米軍による対イラン攻撃が発生して1週間以上が経過した。 戦況は拡大の一途をたどっているが、それは初日の第1波攻撃で、イランの絶対的指導者であるハメネイ最高指導者が殺害されたからだ。イランは従来、対外的な紛争が発生しても、
2008年12月24日のクリスマスイブに、タレントだった飯島愛さんの遺体が自宅で発見された。十代にアダルトビデオ女優としてデビューし、不可能と考えられてきたAV女優からタレントへの転身を見事に遂げた人気タレントは、やや不可解な形で芸能界を去り、若くして亡くなった。彼女はどのように90年代を駆け抜け、何をしようとしていたのか。『飯島愛のいた時代』(太田出版)を上梓した安田理央氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──飯島愛さんのAVデビュー作『激射の女神』について書かれています。これはどのような作品ですか? 安田理央氏(以下、安田):90年代のAV作品はドラマ仕立てにしているものの、ものすごくチープで基本的には面白くありません。とはいえ、飯島愛さんはかわいいし、思っていたよりちゃんと演技もしています。作品の中で男優が彼女を笑わせようとするのですが、そうすると、飯島さんは役柄を
イラン戦争が迫る「普通の国化」のフォージ(鍛造) イラン戦争でホルムズ海峡が実質的に封鎖に近い状態となり、世界のエネルギー動脈が詰まりかけている。 石炭とロシア産エネルギーのある中国は「肋骨にヒビ」程度の被害を受けるかもしれないが、原油の8割前後がホルムズ海峡を通って輸入されている日本は「心臓直撃」の衝撃を受ける可能性がある。 この非対称性は、単なるエネルギー問題ではない。日本の戦後安全保障の根幹を揺さぶり、国家のあり方そのものを鍛え直す「フォージ(鍛造)」の始まりである。 こうした中で訪米する高市早苗首相に対し、ドナルド・トランプ米大統領はおそらく、同盟国としての覚悟を測る「請求書」を突きつけるだろう。 「ホルムズ海峡で動けない国は、台湾でも動けない」。このストレートなトランプ大統領の問いが、いま日本に突きつけられているのではないか。 日本と中国の「痛みの差」 中国の1次エネルギーの半分
さらに、ロシアがこれまで軍事支援を実施していた国々が、ロシアから離れる現象が起きている。それはなぜなのか。 それらの疑問に答えるには、ソ連邦崩壊後に旧ソ連軍が解体・縮小されロシア軍を主体とする形に再編されたことと、ウクライナ戦争による軍事力の膨大な消耗の2点を踏まえて考察する必要がある。 ソ連邦崩壊後、旧ソ連軍は解体・縮小されスリム化された。 その後、ロシア軍は急速な近代化は実施されなかった。新型の戦闘機や弾道ミサイルの開発が進められたものの、米欧の通常兵器の技術レベルとの差が開いたままであった。その差がウクライナ戦争で明確に分かった。 ロシアは、そのような兵力でウクライナ戦争を開始、そして4年が経過し、ロシア軍の損失は膨大なものとなっている。 また、この4年の戦争期間、特に侵攻後1年半が経過した2023年末頃から、ロシアの周辺国や影響が及ぶ国々では、ロシアが支援してきた政権が倒れたり、同
マーケティング戦略コンサルタント 慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMの戦略マーケティングマネージャー、人材育成責任者などを経て、2013年退社。同年、多摩大学大学院客員教授を担当。マーケティング戦略思考を日本に根づかせることを目指してウォンツアンドバリュー株式会社を設立。多くの企業・団体へ戦略策定支援を行う一方、毎年2000人以上に講演や研修を提供。2020年からはオンライン「永井経営塾」主宰。著書に60万部超『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ、17万部超『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』シリーズ(以上KADOKAWA)、10万部『これ、いったいどうやったら売れるんですか』(SB新書)など。著書累計は100万部超。 オフィシャルサイト https://takahisanagai.com/ X(旧Twitter) @takahisanag
こんな衝撃的な書き出しで始まる1本のレポートが、いまウォール街を揺るがしている。タイトルは「THE 2028 GLOBAL INTELLIGENCE CRISIS」。機関投資家向けのグローバル・マクロ分析を行う独立組織、Citrini Researchが2026年2月22日に公開したレポートだ。わずか数日で「いいね」6000超、コメント1300超を記録するなど、金融・テクノロジー業界関係者の間で激しい論争を巻き起こしている。 興味深いのは、この論争が単なる賛否ではないことだ。同レポートのコメント欄で、「大手テクノロジー企業のAI部門に勤務するエンジニア」と称する人物が「このレポートのAI能力に対する理解は甘い」と反論しつつも、「それでも無視できない洞察がある」と述べるなど、批判者すらその問題提起の鋭さは認めている。 レポートが読者に突きつける問いはシンプルだ。「AIについての強気な予想が正
(小林 啓倫:経営コンサルタント) 2026年2月18日、AI業界に衝撃的なニュースが走った。スタンフォード大学の著名教授で、「AIのゴッドマザー」と称されるフェイフェイ・リーが率いるスタートアップ「World Labs」が、設計ソフト大手オートデスクからの2億ドルを含む総額10億ドルの資金調達を発表したのだ。企業評価額は約50億ドルに達するとされており、同社がまだ製品を本格展開して間もないことを踏まえると、その金額は際立っている。 同じころ、フランスではディープラーニング技術の基礎を築いた1人として知られるヤン・ルカンが設立した「AMI Labs」が、製品リリース前にもかかわらず30億ユーロの評価を受け、5億ユーロの資金調達を進めているとの報道がなされた。この2つの企業に共通するもの、それは「世界モデル(World Models)」と呼ばれる次世代AI技術を手掛けているという点だ。 なぜ
この会議体では、政権党である自由民主党と、閣外協力をおこなう日本維新の会という与党勢力に加え、野党陣営からはいち早く参加の意思を表明したチームみらいが参画し、議論をスタートさせた。 政府は、今後議論が進行する途中でも新たに参加を希望する政党が現れれば歓迎するというオープンな姿勢を表面上は取り繕っている。 しかしながら、政府が進めようとしている「給付付き税額控除」の導入にあらかじめ賛成の意向を示している政党だけを選別し、いわゆるチェリーピッキング(都合の良いものだけのつまみ食い)によって囲い込んでいるに過ぎないことは明らかだ。 そもそも、この会議は設置の構想段階においては「消費税減税」の是非を議論する場として国民に向けて喧伝されていたはずであった。 ところが、いつの間にか会議自体が「社会保障に関する国民会議」へとすり替わっており、議論の本丸は消費税減税から、給付付き税額控除をはじめとする社会
米国が中東に空母増派へ。ギリシャのクレタ島にあるス―ダ湾に滞留する米海軍の空母ジェラルド・R・フォード(2026年2月24日、写真:ロイター/アフロ) 「戦争を始める者は──いや正気の者であれば決して──その戦争によって何を達成しようとしているのか、またそれをいかに遂行しようとしているのかについて、まず心中に明確でなければならない」 (カール・フォン・クラウゼヴィッツ、『戦争論』) 「政治的目的が目標であり、戦争はそれに到達するための手段である。手段はその目的から切り離して考えることは決してできない」 (カール・フォン・クラウゼヴィッツ、『戦争論』) 「戦争の本来の目的は勝利であって、長引く優柔不断ではない。戦争において勝利に代わるものはない」 (ダグラス・マッカーサー将軍) 「宙吊り状態」のアナトミー 2026年2月下旬時点で、米軍はUSSアブラハム・リンカーンおよびUSSジェラルド・R
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