古美術品よりも骨董と言ったほうが、家にある感じがするとでも言おうか。そうした感覚も日本的なのかもしれない。おそらく外国では、言葉の上では骨董も古美術品もアンティークで、両者の違いを明確にあらわす言葉はないのではないか。 ただ骨董品というと、人形、時計やカメラ、箪笥たんすや蓄音機のようなものも含まれる点では、古美術品と区別されるとも思う。 これらはオークションでも扱われるが、やはり美術作品とは呼ばれない。また、いわゆる真贋の狭間にあるようなモノは、骨董としては通用するが、贋作がんさくとされるものはやはり美術品とは呼べない。 日本美術における2人の功労者 突き詰めれば、美術品として一定のクオリティを持っているかどうかで、これもやはり曖昧な領域を含む話になるだろう。 私は、実際に何を古美術品と呼ぶかというよりは、何をそう呼ばないのか(例えば「骨董」と位置づけられる人形や時計、カメラなど)を考えた