神田淡路町にある洋食屋「松栄亭」。 夏目漱石(慶応3.1.5(陰暦)~大正5.12.9 小説家)が食したという「洋風かきあげ」がいただける、明治40年創業の老舗洋食屋さんです。 漱石が、東京帝国大学で教鞭を取っていたフォン・ケーベル邸を、訪れていたときのこと。「何か変わったものが食べたい。」という漱石の要望に応えて、当時ケーベル邸で専属料理人をしていた初代松栄亭主人が、即興で作ったのがこの「洋風かきあげ」なのだそうです。 卵と小麦粉の衣の中に、玉ねぎと角切りの豚肉がゴロゴロ。 ラードで揚げてありボリューム満点のお品。 お腹いっぱいになります。 大きくて食べ応えがあるので、テーブル上のソースやからしを付けて、味変しながら食べるといいと思います。 他にもコロッケやオムライスなど、昔ながらの洋食メニューも人気。この日も近所のサラリーマンたちが、ランチに続々と訪れていました。 池波正太郎(大正12