「社会を変えるより自分を変えよう」的な思考回路が身についているから、「カップ麺が高いと憂うよりもっと節約できるはず」みたいな発想になる。日本社会全体が「自己啓発セミナー化」していると思う。政治や社会を問うという思考回路がまるごと放棄され、「ライフハック」的な回路に置換されている。
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新年が明けて1週間した頃の朝、起き抜けにFacebookをチェックしていたら、旧友の暑苦しい投稿が目に止まった。 「今日は、起業家クリエイトメンバーたちと新年最初のメタバース会議でした! 新しい世界は刺激を受けることばかり! 今年は学びの機会をさらに増やし、仲間達と学び合える機会も作っていきます!」 ん?マコちゃん、いったい何をやってるの? 起業家クリエイトメンバーって何? 私の知っている彼女には似合わない暑苦しさがどうにも気になり、彼女の過去の投稿をさかのぼってみた。 すると、昨年秋から年末にかけて、とあるネットメディアが主催する「起業家クリエイトプロジェクト」(仮名)なるものに参加していたと、鼻高々に綴られていた。 「私は起業家クリエイトプロジェクトに参加して以来、己を見つめ直し、自分が起業家として本当にやりたいこと、やるべきことは何なのかに向き合い続けてきました。 審査に受からないか
1997年に解散した人気ロックバンド「X JAPAN」。解散のきっかけはボーカルを担当していたTOSHI(現在の表記はToshl)の脱退表明だった。翌98年、TOSHIが自己啓発セミナー団体「レムリアアイランド」に心酔していると報道され、マスコミを挙げての「洗脳騒動」に発展。その後、団体は「ホームオブハート」(HOH)と改称した。 自己啓発セミナーは数日間密室でさまざまなゲームやレクチャーを繰り返す「集団心理療法」の一種。瞑想により幼少期を振り返ったり参加者同士がののしり合ったりする。最後は互いを絶賛し合い号泣しながら抱き合ってカタルシスに浸る。これを「本当の自分を見つける」「人間関係を改善できる」心理学技術だと謳い何十万円も取る商売だ。 集団心理療法は70年代にアメリカから上陸し、80年代にこれをパクった業者が大量発生した。オウム真理教や統一教会の関係者が、信者を洗脳するテクニックとして
そうした出来事をブログに赤裸々につづっていたところ、コメント欄のやりとりでミランダ小林(仮)というセラピー講師と親しくなり、Mさんも自己啓発系セラピストの道へ進んでいく。 【前編を読む】⇒「ぼったくり資格ビジネス」にハマったシングルマザーの後悔…“謎の講座”の価格とは そのセラピーは、潜在能力を開花させ、心を抑圧から開放することで、現実世界の問題を解決していくという、自己啓発のようなものであった。ところがだ。セラピーを学び、講師として活動している仲間たちが、次々とほかのスピリチュアルや自己啓発に手を出していくのだ。 「みんな一様に、“セミナージプシー”と呼ばれる状態でした。私たちが共に学んだセラピーは、自分のなかの問題を解決し、生きづらさが解決されるはずだったのに、結局まったく解決されていないってことでは……? 彼女たちの名刺にびっしり書きこまれているいくつもの長い肩書が、生きづらさそのも
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