1912年にイタリアで発見された写本「ヴォイニッチ手稿」は、その謎めいた文字と奇妙かわいい挿絵が話題となり、世界各国の研究者やAIが解読を試みているものの、いずれも決め手に欠けている。 だが謎めいているのは、その内容だけではない。ヴォイニッチ手稿の起源や所有者といった、本の歴史もまた謎めいているのだ。 今回いく人かの所有者が明らかになったことで、歴史の空白の一部が埋められたようだ。 広告 ヴォイニッチ手稿の全ページスキャン Voynich manuscript. All pages scanned (undeciphered language) 17世紀、チェコの錬金術師が所有していた ヴォイニッチ手稿が再発見されたのは、1912年のことだ。ポーランド系アメリカ人である古書収集家ウィルフリッド・ヴォイニッチ(Wilfrid Voynich)が、イタリア・ローマ近郊にあるイエズス会系大学で見