堀川憲司 朝の連ドラを全話通して観たのは、実はこれが初めてなんですよ。取り上げられている内容がアニメの歴史にまつわるものだったので、興味を持ったんです。特にこの作品で描かれていた時代には格別の憧れがあって。業界に入った頃、アニメーターの方から薦められて教えてもらったのが、「作画汗まみれ」という本だったのですが、ちょうど「なつぞら」の舞台となった時代のことを書いていたんです。 ──伝説のアニメーターである大塚康生さんの著書ですよね。 堀川 はい。アニメにどういう歴史があるのか、この業界が何に取り組んできたのか、そこが非常にドラマチックに描かれていた。それまで、僕は全然アニメというものを知らなかったのですが、そこからこの業界で働く人たちに興味を持てたんですよね。中でも「なつぞら」における(主人公なつが入社する)東洋動画のモデルとなった東映動画のことが克明に書かれていて。「あの現場を再現したい」