1時間前。西宮北口へ向かう電車の中。このときから予兆はあった。ロングシートの端に座っていた。それほど混雑はしていない。しかし少し動悸がして息苦しさを感じる。ザワザワした不安感が腹の底のあたりにあるのがわかる。目を閉じて瞑想のようなことをしたり、窓の外の景色を眺めたりしてなんとか心を落ち着かせようとする。最初は気が散ってなかなか嫌なイメージを振り払うことができなかったが、しばらくすると落ち着いてきた。 西宮北口に到着。「雅洛」の発車30分前。ホームに下りるとすでに行列ができていた。列に並んで待っているときにはそれほど不安はなかった。ただ、いまから思い返すとやはり緊張していたのだと思う。どのあたりの座席を狙うか、また座れなかった場合どこに立つか、十三から京都線に入るということはそこで進行方向が逆になるのか、そうだとすると進行方向に向かって座っていても途中から逆向きになるのか、車内の写真は撮れる