コロナショックを受けて、日本ではアートやエンターテインメント産業の従事者に対して政府からの補償が薄いことが問題となっている。 そんななか、文化庁の予算を活用し、個人として新作マンガの電子書籍制作をしたマンガ家がいる――『ディエンビエンフー』や『世界の終わりの魔法使い』シリーズを手がけてきた西島大介だ。 予算はコロナ禍が起こる以前に申請して下りたものだが(2019年度)、アート、エンターテインメント分野に対する公的な助成へ関心が高まる今こそ、その試みは注目に値する。必要な手続きや成果はいかほどか? 西島氏に訊いた。 ■「メディア芸術クリエイター育成支援事業」とは?――西島さんは文化庁の助成金を使ってマンガの電子書籍を制作したそうですが、それは他の作家でもできることなのですか? 西島 僕が利用したのは「メディア芸術クリエイター育成支援事業」というプログラムです。これは誰でも申請できるわけではな